2006年1月3日(火)「しんぶん赤旗」
ドイツ元日平和行動
「爆撃演習場いらない」
![]() (写真)ドイツの平和運動フライエ・ハイデの元日平和行動=1日、シュワインリッヒ村(片岡正明撮影) |
【シュワインリッヒ(独ブランデンブルク州)=片岡正明】「爆撃演習場はいらない」。ドイツの首都ベルリンから北約百キロのシュワインリッヒ村で元日恒例の平和行動が行われ、周辺の村やベルリン市内から約千人が参加しました。
キリッツルッピン原野は、旧東独時代に住民から強制的に土地を取り上げられ、ソ連軍の爆撃演習場にさせられました。ドイツ統一後、原野返還の住民の願いとは裏腹にドイツ政府は新型戦闘爆撃機ユーロファイターの爆撃演習場とすることを計画。住民は一九九二年、市民運動「フライエ・ハイデ」(自由の原野)を結成して反対運動に立ち上がりました。
十三回目となる元日平和行動は村のプロテスタント教会でのミサで始まりました。小さな教会の中に「ウイ・シャル・オーバーカム」のパイプオルガンが響きました。
村からキリッツルッピン原野の森の中まで抗議のワンダリング(ハイキング)の先頭には「われわれの原野の空には爆弾はいらない」の横断幕。森の中の集会では「(演習場で)一万五千人分の仕事が危うくなる」の横断幕もかかります。
近くの町ウィストックに住むドロテア・ウィンケルさんは「私の家は演習場へ向かう爆撃機が飛ぶ真下にあります。ソ連時代は騒音がひどかった。この美しい自然を孫たちに残したい」と語りました。


