2006年1月1日(日)「しんぶん赤旗」

「ポスト小泉」へ激動の展開含み

「三つの異常」転換か加速か

06年政局展望


 二〇〇六年の政治は、四月で満五年を迎える小泉純一郎政権の“これまで”と“これから”を軸に、激動の展開となりそうです。九月の自民党総裁任期満了での退陣を表明している小泉首相は「ポスト小泉」候補の競い合いで政権の求心力を維持しながら、財界直結、アメリカいいなり政治を極端に進めた「小泉政治」を継承させる構えです。

 自民党は九月の総裁選に向け、「小泉構造改革の総仕上げの年」(武部勤幹事長)と気勢をあげます。しかし、一方では「次の選挙は必ず揺り戻しが動く」(小泉首相)と自民圧勝の反動が〇七年の参院選挙におきるのではないかとの警戒心が覆っています。

■異常その1 侵略戦争正当化

 その警戒心は、外交・内政のゆきづまりと強く結びついています。

 麻生太郎外相が昨年に続き元日に靖国神社を参拝するのではないか――〇六年のスタートからこうした話題がのぼる小泉内閣の危うさ。今年も靖国問題を中心に、世界の流れに逆行して侵略戦争を正当化する「小泉政治」の異常がきびしく問われます。

 「私の友人の米国務省の日本関係者が“アメリカにとっても『遊就館』の中身はひどい”といっていた。総じてアメリカは、日本と中国がもう少し仲良くやってほしいとのメッセージを送っているのに、そこを日本はよく理解していないと受けとめている」。元外交官の衆院議員は指摘します。

 小泉首相の五年連続の靖国参拝で、中国や韓国との首脳会談も途絶えたままの現状に、アジアのみならず、小泉首相が最も頼りとする米側からも懸念の声があがっています。

■異常その2 米国にいいなり

 三月に日米両政府の「最終報告」が出る在日米軍再編と、憲法改悪の策動が同時進行していることも、自民党政治の足元を揺さぶります。

 自民、公明、民主三党は、二十日召集予定の通常国会へ憲法改定のための国民投票法案を提出し、成立を狙っています。

 しかし、米軍再編と同時に進むことで、改憲の狙いが国民の前に明らかになりつつあります。米軍と自衛隊を一体化させ、地球的規模で軍事介入する態勢づくりが進むもとで、そのための改憲――「海外で戦争をする国」づくりという方向が浮き彫りになるからです。

 基地強化の押しつけに自治体・住民ぐるみで反対するたたかいの広がりも政府を追い込むことになります。

■異常その3 大企業中心主義

 内政はどうか。小泉政権は、高齢者狙い撃ちの「医療制度改革」や公共サービスの低下をもたらす公務員の総人件費削減方針など、「小泉改革」総仕上げの法案を次々出そうとしています。

 しかし、大企業の法人税減税は優遇したまま、国民に痛みばかり押しつける「改革」には、テレビ番組でも「聖域法人税」「サラリーマンには等しく大増税」ととりあげられるほど、反発がじわりと広がっています。なにより「サラリーマン増税は行わない」という自らの総選挙公約を破って大増税・負担増を押しつけようとすることが、自民党のアキレスけんとなっています。

 自民党総裁選は、異常な政治が加速するのかどうか、国民が注視し鋭く問われることになります。

■対決するのは

 問題は、この異常な自民党政治に立ち向かう勢力はどこかです。

 総選挙敗北を機に発足した前原誠司代表率いる民主党が与党との「改革競争」路線を打ち出したことに与党から「〇五年体制」という言葉があがりました。これは「内政では『小さな政府』、外交では日米同盟基軸」(中川秀直自民党政調会長)という同じ方向で一致し、民主党に審議拒否などしないように国会運営に協力を求めるものです。憲法改定、消費税増税で競う「大連立」までとりざたされるなかで、〇六年を迎えています。

 しかし、これは与党の暴走を加速させ、国民との矛盾を深めるばかりです。前原代表に近い幹部は「与党と民主党との間には『程度の差』しかなく、明確な対立軸があるとはいえない」と指摘しています。「改革競争」を続ける前原体制自体も先行きが不透明です。

 こうしたなか、「小泉政治」の暴走に真正面からストップをかけようと奮闘しているのが日本共産党です。昨年の特別国会で、郵政民営化の本質をずばりつくなど、小泉自公政治の暴走に立ち向かいました。

 憲法改悪反対の国民的多数派の結集や、米軍再編反対の自治体ぐるみのたたかいなど、国民の共同を大きく広げる方向を示して奮闘。国民分断の攻撃をはね返す社会的連帯を掲げ、反撃に立ちあがることをよびかけています。

 十一日からの党大会では、侵略戦争正当化、アメリカいいなり、極端な大企業中心の三つの異常な自民党政治の根本的転換の道と、それを可能とする党づくりの方向を打ち出します。通常国会でも、相次ぐ悪法に、論戦でも議会運営でも真正面で立ち向かおうとしています。

■2006年の主な政治日程

 1月4日 首相年頭会見、伊勢神宮参拝

  7日 首相がイスラエル、パレスチナ、トルコ訪問(13日まで)

  11日 日本共産党大会(14日まで)

  17日 衆院国交委で小嶋進ヒューザー社長を証人喚問

  18日 自民党大会

  20日 第164通常国会召集予定

 2月11日 社民党大会(12日まで)

 3月内  在日米軍再編で「最終報告」

 5月1日 海上自衛隊のインド洋派遣基本計画の期限切れ

  26日 日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(沖縄県、27日まで)

 6月18日 通常国会会期末

 7月15日 主要国首脳会議(サミット)(ロシア・サンクトペテルブルク、17日まで)

 9月10日 アジア欧州会議(ASEM)首脳会合(ヘルシンキ、11日まで)

  30日 小泉首相の自民党総裁任期切れ

   同 前原誠司民主党代表任期切れ

 11月1日 テロ特措法が期限切れ

  上旬 公明党大会

  18日 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ハノイ、19日まで)

 12月13日 東アジア首脳会議(フィリピン)

  14日 イラクへの自衛隊派兵期限切れ


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