2005年12月30日(金)「しんぶん赤旗」

陸自が敵前上陸訓練

新年、米本土で

海兵隊「手ほどき」


 陸上自衛隊が来年一月三日から、米本土の海兵隊基地キャンプ・ペンドルトン(カリフォルニア州)で上陸作戦の訓練を実施することが二十九日までに分かりました。海外に遠征し、海から敵地に強襲上陸するなど“殴り込み”を任務にする米海兵隊から訓練を受けるもの。本格的な海外派兵態勢づくりを進める陸自の作戦能力をいっそう強化することにつながります。

 防衛庁によると、陸自の参加部隊は、西部方面隊普通科連隊(長崎県)の一個普通科中隊の百二十五人。米側参加部隊については「第一海兵遠征軍」としているだけで、詳しい部隊名は明らかにしていません。期間は来年二月三日までです。

 キャンプ・ペンドルトンは、東京ドームの一万個分以上にあたる約五百六平方キロメートルの面積を有し、「海兵隊の西海岸最大の遠征訓練基地」(同基地ホームページ)とされます。米海兵隊を構成する三つの海兵遠征軍の一つ、第一海兵遠征軍の拠点基地です。

 防衛庁によると、訓練は、日本の島嶼(とうしょ)部への侵略を想定。「敵」のいる離島に「進出」し、「要域を確保」する訓練を実施するとしています。

 一方で同庁は、米海兵隊との訓練の意義について「効果的な訓練施設などを有する米国に部隊を派遣して、経験豊富な米軍からノウハウを吸収し、戦術・戦闘能力の向上を図る」と説明。海外への“殴り込み”を専門とする米海兵隊から「ノウハウを吸収」するのが目的であることを認めています。

 陸自は二〇〇五年度から、こうした米国での実動訓練を年一回から二回に拡大。今回の訓練は〇五年度の二回目にあたります。

 一回目は、陸自の教育・訓練機関である富士学校の普通科教導連隊が十―十一月に米陸軍第一軍団の基地フォート・ルイス(ワシントン州)で市街戦訓練を実施。この訓練も「経験豊富な米軍からノウハウを吸収」することを目的に、同軍団所属の部隊(ストライカー旅団)からイラクでの戦闘の教訓や方法などを実地で学んでいます。

 ▼上陸作戦 海から敵地に上陸し、攻撃する作戦。もっぱら他国に侵攻する際に使われます。一般的には、強襲揚陸艦や輸送艦で戦闘部隊や装備を海上輸送。沖合から上陸用舟艇などを発進させ、上陸させます。


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