2005年12月23日(金)「しんぶん赤旗」

イラン核問題 交渉再開

英仏独と来月も話し合い


 【ベルリン=片岡正明】イランの核問題をめぐる英独仏三国とイランの交渉が二十一日、ウィーンで四カ月半ぶりに再開され、来年一月に再び交渉を行うことで合意しました。同日の交渉は五時間に及び、双方が「率直で自由な態度表明」を行ったといいます。


 これまでイラン核開発をめぐっては、ウラン濃縮を「平和目的だ」と主張するイランに対し、「核兵器開発につながる恐れがある」とする米欧側が対立していました。ロシアは交渉前に、ウラン濃縮の前段階に当たる転換作業を認める代わりに、ウラン濃縮そのものはロシアで行うとする案を提示しました。英独仏はロシア案を支持しましたが、イラン側は拒否していました。

 今回の交渉にはイラン国家安全保障会議のバイディ副書記を団長とする同国代表団と三国外務省高官との間で行われました。ドイツ外交官によると、今回の交渉は「交渉のための交渉」で、「本格的な交渉の枠組みがつくれるかどうか」が問題といいます。

 一方、イランは「ウラン濃縮一時停止の措置を解除し、ウラン濃縮のタイムスケジュールを決めること」を交渉の目的としており、両者の隔たりは大きいままです。

 英独仏三カ国は、ブッシュ米政権の軍事脅迫路線に対し、あくまで外交を通じてイラン核問題の解決を目指す路線を堅持、イランに対し経済的な見返りなどを条件にウラン濃縮関連活動の恒久的な停止を求めて交渉してきました。

 しかし、イランが今年八月にウラン転換活動を再開したことで交渉は中断。国際原子力機関(IAEA)理事会は九月、イランのIAEAの保障措置(核査察)協定違反を非難する決議を採択していますが、国連安全保障理事会付託は見送りました。

 今回の交渉が不調に終われば、IAEAの安保理付託につながる可能性も示されていました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp