2005年12月22日(木)「しんぶん赤旗」

米軍再編

NLP実態把握せず

岩国基地 自治体質問に国回答


 山口県・岩国市・由宇町が、米軍再編「中間報告」の中で岩国基地(山口)にかかわる質問書を国に提出していた問題で二十一日、防衛施設庁は三十三項目のうち二十六項目について回答。岩国基地「滑走路沖合移設事業」によって騒音や事故の危険性が緩和されるから、岩国が厚木艦載機部隊の移転先として適当、との認識を示しました。

 県などは先月二十四日、移転理由、厚木艦載機部隊の機数や騒音の規模、NLP(夜間離着陸訓練)やその事前訓練についてただしていました。

 移転理由について、人口密集地である厚木基地周辺の騒音緩和をあげましたが、同時に昨年来、米軍が進めている「TAI(戦術航空統合)」計画による米海軍と海兵隊の航空部隊統合も指摘しました。

 現在の滑走路より一キロメートル沖合に滑走路ができる沖合移設事業によって、「住民に対する騒音上、及び安全上の問題は大幅に改善される」と断言。岩国の海上自衛隊機十七機の厚木への移転、NLPがプロペラ機「E2Cホークアイ」のみに限定されることも列挙しました。

 しかし、「海上自衛隊航空機が岩国に移転する場合とそうでない場合の騒音コンター(騒音範囲)を比較した場合に大きな変化はない」など矛盾した記述も見られます。

 NLPについては「事前訓練の実態については米軍の運用にかかる問題であることから正確な状況は把握していない」と回答。

 国は今回、初めて厚木艦載機部隊が移転した場合の岩国基地における騒音予想図を示しました。


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