2005年12月21日(水)「しんぶん赤旗」
地元の声きき見直しを
広島県知事が国に質問書
岩国基地強化
藤田雄山・広島県知事は在日米軍再編「中間報告」で、米航空海兵隊岩国基地(山口)への米海軍厚木基地(神奈川)空母艦載機部隊とNLP(夜間離着陸訓練)移転について二十日、二十四項目の質問書を外務・防衛省などに提出しました。回答は県民に公開する予定。
質問書は冒頭、十月二十九日に出された米軍再編に関する日米合意「日米同盟 未来のための変革と再編」について「あくまで『中間報告』であって『最終報告』に向けて、地元自治体の意向を聴取して見直しを行うのか」とただしています。
NLPについては、その該当要件を明らかにすることを求めました。NLPは空母に載る資格を得る、特定の訓練メニュー「空母着艦訓練」のうち夜間に行う訓練だけを指す言葉。その他の圧倒的多数のタッチ・アンド・ゴーはNLPに該当しないため、日米で暫定的に合意された訓練場、硫黄島(東京)ではなく、岩国で昼夜を問わないタッチ・アンド・ゴーが繰り返される危険性が指摘されています。
岩国でNLPに該当しない空母着艦訓練を実施するかどうか聞き、実施機種・機数・時間帯・予想騒音データの明示を求めました。今後、硫黄島に代わる恒久的なNLP訓練施設を特定することが「中間報告」に盛りこまれていますが、その場所や設置時期を明らかにすることも要求。
そのほかにも岩国基地が管制する「岩国空域」や、基地沖の米軍提供水域・船舶航行禁止区域・漁船操業禁止区域の拡大の有無、空母キティホークが原子力空母「ジョージ・ワシントン」に交代した後、艦載機の機数が増加するかどうかも問うています。
山口県・岩国市・由宇町も国に三十三項目の質問書を提出中。二十一日に回答を得ます。