2005年12月20日(火)「しんぶん赤旗」

「君が代」強制

都教委が職務命令指導

東京地裁口頭弁論 元校長が証言


 東京都の教職員四百人が都教育委員会にたいし「君が代」斉唱の義務のないことの確認を求めている裁判(予防訴訟)の第十二回口頭弁論が十九日、東京地裁で開かれ、元都立高校校長が原告側証人として出廷。都教委から、起立して「君が代」を斉唱するよう教職員に職務命令を出すことを繰り返し指導され、従わざるを得なかったと証言しました。

 都教委は、職務命令を出したのはそれぞれの校長の裁量によるものと説明してきました。元校長の証言は都教委が職務命令を出すよう事実上、強要していたことを示すものです。

 証言したのは、二〇〇四年三月まで都立高校の校長を務めていた男性。都教委が〇三年十月に「日の丸・君が代」を現場に強制する通達(10・23通達)を出し実施方法を定めて以降、翌年三月の卒業式まで何度も校長会や電話で「指導」され、式のやり方などをこと細かく指示されたことを証言しました。

 証言によると、通達の説明会では横山洋吉教育長(当時)が「君が代」斉唱で起立しない教職員がいることを「学校経営の課題」と強調。人事部長が「職務命令を出して教員を従わせることが大事」などとのべ、いつどこでだれに職務命令を出したのか記録する、座席を指定して起立しない教職員を確認する、職務命令は事前に出す―など細かな指示をしました。

 元校長は「通常なら指導部長から話がある。(人事部長から話があったのは)服務上の責任が問われるという意味だと思った」とのべました。また、教育長が出席していたことで「その通り実施しないということは校長としてありえないと思った」とのべ、この説明会が校長らへの大きな圧力になったことを明らかにしました。


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