2005年12月19日(月)「しんぶん赤旗」
来年2月にも3カ国協議
イラン・パキスタン・インド結ぶ
「平和のパイプライン」
【ニューデリー=豊田栄光】イランからパキスタンを経由しインドに天然ガスを供給するパイプライン計画について、印パ両国は十七日、当地で次官級協議を行い、来年二月までにイランを含めた三カ国協議を実施し、四月までには計画の「枠組み合意」を締結することで一致しました。
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パキスタン石油省のアーメド次官は「これで見通しがたった」と語り、二週間以内に財政アドバイザーを指名し、資金調達など実務面での詰めをおこなっていく方針も表明。今後は建設会社などを含めた国際的な検討会議を開催していくとしています。
■2500キロ超
パイプラインは総延長二千五百キロ以上で、印パ両国は二〇一〇年までの完成を目標にしています。
今年二月には印パ、印イラン、イラン・パキスタン間で首相や外相などが会談し、建設に向けて具体的協議に入ることで合意しました。
パイプライン計画はインドとイランの間では十年越しの話ですが、経由地のパキスタンとインドの関係は、カシミール地方の領有権紛争で悪化しており、具体的な話が進展する条件はありませんでした。
■対立乗り越え
しかし、印パ両国は〇三年十一月、停戦に合意し、その後は多分野で和解を進めてきました。イランとパキスタンも以前は、アフガニスタンの前タリバン政権をめぐり対立していました。
こうした対立を乗り越えての計画であることから、「平和のパイプライン」と現地では呼ばれ、期待が高まっています。
一方、イランの封じ込めを画策するアメリカのブッシュ政権は、パイプライン計画に反対しています。


