2005年12月18日(日)「しんぶん赤旗」
不安です原子力空母
横須賀集会配備反対口々に
“暮らしが…”“子の将来が…”
「原爆は両親のかたき」「原子力空母がなぜ必要なのか」「反対を行動で示したい」――。十七日、神奈川県横須賀市で開かれた「原子力空母の横須賀への配備を阻止する緊急集会」。寒風のなか、集まった二千五百人が“原子力空母ノー”を強く訴えました。
長崎で被爆したという男性(80)=逗子市=は原子力空母の配備に怒りをこめました。
「両親は原爆で亡くなった。空母は安全というがけっして安全ではない。なぜ原子力空母が必要なのか。戦争のためではないか。再び原爆が使われないよう、核兵器をなくすよう、その思いを持って参加した」
池子の森を破壊する米軍住宅建設に反対する署名を呼びかけていた「池子の緑・平和・自治を守る金沢連絡会」の友寄健一さん(64)=横浜市金沢区=は「原子力空母の配備は、米軍住宅建設につながってしまう。それは許せない」。
二人の子どもを連れて参加した助産師の井坂めぐみさん(33)=横須賀市=は「原子力空母配備に反対。自分の生活に関係することだから反対だということを行動で示そうと思った」と話します。二歳の子どもを胸に抱いた井坂さん。「子どもの将来にかかわることだからなんとかできないかと思う」と話します。
大学で化学工学を学んでいる学生(19)=横浜市金沢区=は「大学には原子力研究所があって、原子炉もある。授業では安全を強調しているが、原子力空母は現段階では安全性はさだかではない。小泉首相は市民の声を聞いてほしい」。
千葉県平和委員会の紙谷敏弘さん(45)=千葉市=は「議会で反対の態度表明をせまられた堂本千葉県知事は平気で『横須賀は千葉県にはない』と言う。千葉ではまだ、危機感がないので声を出して知らせていきたい」と語り、首都圏ぐるみの問題だと強調しました。
集会後のデモ行進を見ていた三浦市在住の四十代男性=公務員=は「原子力空母はできれば来てほしくない。来てほしいなんて誰も思っていないんじゃないか」と話していました。