2005年12月14日(水)「しんぶん赤旗」

近づく第24回党大会

情勢の中で決議案を読む

政党としての大道歩む共産党

「オール与党」化すすむ中 鮮明に


 「部分的な大連立があってもいい」(武部勤幹事長、九日)「憲法改正を可能ならしめる道は一つしかない。それは大連立だ」(山崎拓前副総裁、一日)。改憲問題にからんで自民党内からこんな声が出ています。日本共産党第二十四回大会決議案は、この政党状況について「『二大政党制づくり』の本質が…国の基本政策で同じ道を歩む『オール与党化』にある」と指摘。「政党としての大道を歩む日本共産党の値打ちが、浮き彫りになっている」として、五つの点から特質を明らかにしています(第三章第九節)。決議案発表後の情勢からみるといっそう鮮明に――。


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(写真)党大会議案を討議し練り上げた、武蔵野三鷹地区党会議=11日、東京・三鷹市

■党綱領どう生かす

 いま、日本共産党は、支部や地区、都道府県段階で大会決議案を討議し、よりよいものに練り上げています。その決議案自体、二〇〇四年一月の第二十三回党大会で確定した新しい綱領を具体化したものです。

 総選挙でも綱領を具体化した「野党としての公約」を打ち出し、公約実現のため、各地の党組織、支部がさまざまな運動に取り組んでいます。

 他党はどうか。十一月十五日の決議案発表後、自民党は立党五十年記念大会を開きました。そこで発表した「新理念」「新綱領」には、「どういう日本をつくるのか」の展望がありません。「『自民党らしさ』を前面に出した」(自民党ホームページ)という新綱領の冒頭には「新しい憲法の制定」を掲げ、「新憲法草案」も発表しました。一方で、立党時の綱領で掲げた「福祉国家の完成」はあとかたもなく消えました。改憲政党としての再出発と「小さな政府」をめざす福祉切り捨て路線を宣言したものです。

 十六、十七の両日に定期大会を開く民主党。「党再生を果たし、政権に再挑戦する」のがテーマにもかかわらず、「二〇〇六年度活動方針案」では党の綱領ともいうべき「基本理念」は全く振り返ることもされていません。

■草の根での結びつきは

 五百十七万四千筆、68・6%――。特別国会で日本共産党の国会議員が紹介した請願署名数と全体に占める割合です。自民党は百八十八万八千筆、民主党はわずかに三十六万二千筆でした。草の根での国民との結びつきの度合いが反映されています。日本共産党は「全国の津々浦々にきずかれた草の根の党組織」(決議案)をもち、地方議員数でも第一党です。

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(写真)自公の悪政に立ち向かうたしかな野党・日本共産党。キャンプ座間への米陸軍第一軍団司令部の移転阻止大集会であいさつする志位委員長=11月26日、神奈川

■財政活動を比べると

 自民党と民主党は、決議案発表後、政策立案のシンクタンク(研究機関)を立ち上げました。ところが、どちらも財政は財界頼みです。自民党の資金計画案によると、シンクタンクの全収入の六割を財界・企業に依存する計画。民主党も「シンクタンクへの予算支出については、企業・団体献金等を優先充当することとする」(二〇〇六年度予算編成方針)としています。

 民主党の党大会で報告される決算・予算(骨格)によれば、収入は〇五年度の二百十九億二千万円から百七十七億七千七百万円へ激減。〇四年度で収入の83・8%を政党助成金に依存するなど、「国営政党」化を高めているため、議席減が直接響いた形です。予算案では、党費・会費を一・六倍、寄付を二・四倍に見込んでいますが、仮にそれが達成されても、政党助成金依存率は58・8%にも達する計画です。

 これにたいし、「企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、財政のすべてを国民に依拠する清潔な姿勢をつらぬいている」(決議案)のが、日本共産党です。

■戦前の歴史どう語る

 決議案は「自民党や民主党のなかには、“靖国史観”を公然と語る政治家がいまなお一つの流れをなしている」と指摘しましたが、その後、麻生太郎外相が靖国神社の軍事博物館・遊就館の展示を「その当時をありのままに伝えているだけの話だ」(十一月二十一日、米通信社のインタビューで)と擁護しました。遊就館は「近代史の真実を明らかにする」などとして、日本の侵略戦争を「自存自衛の戦争」「アジア解放の戦争」と正当化している“靖国史観”の中心施設。それを擁護する麻生発言は、侵略戦争を推進した政治の流れが引き継がれている「戦犯性」をあらためて浮き彫りにしました。

 民主党でも、野田佳彦国対委員長が「『A級戦犯』と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない」と主張し、政府が東京裁判を受諾したとすれば「満州事変以来一貫して侵略戦争を行っていたという解釈を受け入れたことになる」と非難する質問主意書を政府に提出。“戦犯はぬれぎぬ”とする靖国神社と同様の立場に立っていることを明らかにしました。

■国際活動どんな立場で

 「日米関係が緊密であればあるほど中国、韓国、アジア諸国、国際社会においても良好な関係を築ける」。小泉首相は、日米首脳会談(十一月十六日)後の記者会見でこうのべて米国べったりぶりを誇示しました。自らの靖国神社参拝で招いたアジア諸国との関係悪化や欧米諸国からの批判も眼中にありません。

 一方、民主党も「日米同盟の進化を推進する」(前原誠司代表、八日ワシントンでの講演)立場。日米両政府がおしすすめている在日米軍再編についても「政治がリーダーシップを持って進める」(同前)と、後押ししています。在日米軍基地の強化・永久化に反対し、大きく広がる関係自治体や住民の運動に敵対する姿勢です。

 日本共産党は、どんな大国であってもきっぱりものをいい、日本の主権と自主性を擁護する自主独立の立場で国際連帯と交流を発展させています。


■今日の政党状況のなかでの日本共産党の特質(大会決議案の第三章第九節から)

イ、党の綱領を党活動の指針として大切にしている党

ロ、支部を基礎に自前の組織をもち、草の根で国民とむすびつく党

ハ、国民に依拠した財政活動をすすめる党

ニ、戦前・戦後の一貫した歴史をもつ党

ホ、自主独立の立場で国際連帯・交流をすすめる党


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