2005年12月13日(火)「しんぶん赤旗」

地球環境どう守る

持続可能社会へ 科学者会議シンポ


 日本科学者会議は十一日、創立四十周年記念国際シンポジウムを東京の早稲田大学で開催しました。全国から約九十人が参加し、「アジアにおける科学・技術の交流、協力」のテーマで討論しました。

 「持続可能社会を実現するために」と題した午前の討論では、三人のパネリストが発言しました。慶応大学の厳網林・助教授は、中国での環境問題について報告。経済急成長の一方で、工場や住宅の拡張で農地が失われたり、公害問題が深刻化していることにふれ、「解決するには、企業が社会的責任を自覚しなければならない」と述べました。さらに、そのために環境改善が利益につながるようなしくみが必要だと話しました。

 中央大学の舘野淳教授は、「市場原理で生産量が拡大する工業化社会で、持続可能性があるといえるのか」と問題提起。三重短期大学の南有哲(ありさと)助教授は、「自然環境を守るのは人間の利益を守るためだと解明してこそ、社会と世論を動かせる」と発言しました。

 会場からは、「大量生産・大量消費にかわる新しい生産・経済システムが必要だ」「むき出しの資本主義と地球環境は両立しない」などの意見が出ました。

 午後は、「世界の中のアジア」のテーマで、元インド歴史学協会議長でアリーガル・ムスリム大学退官教授のイルファン・ハビーブ氏と、国立歴史民俗博物館の宮地正人前館長が話しました。

 ▼日本科学者会議(JSA) 日本の科学の自主的・民主的発展と平和・福祉への利用をめざす科学者の個人加盟の全国組織。創立は一九六五年十二月四日で、人文・社会・自然科学の幅広い分野の研究者・教育者・技術者・弁護士・医師・大学院生らが参加しています。


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