2005年12月8日(木)「しんぶん赤旗」

首相の参拝に不快感

“過去から正しい結論導かず”

韓国大使


 韓国の羅鍾一駐日大使は七日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、日本の小泉首相の度重なる靖国神社参拝に強い不快感を示しました。羅氏は、「責任ある立場にいて影響力のある日本の指導者たちが絶えず不幸な過去を思い起こさせようとする。われわれの古い傷口に塩を塗り、引っかき回すようなことをする者もいる」と指摘。「誠実さと正直な気持ちで近隣国と良き友人になるよう、靖国が日本のナショナリズムの象徴とならないよう望む」とのべました。

 講演に続く質疑応答で羅氏は、「過去の出来事については、それを遂行した側と被害者との間には、感じ方に温度差や違いがあることを理解すべきだ。これは、国と国との紛争ではなく、不幸な過去から正しい結論を導く人たちとそうでない人たちとの対立だ」と語りました。

 マレーシアでの東アジア首脳会議の際に日本と韓国の首脳会議が開かれない問題については、「本当に不幸なことだと思う。日中韓すべての国の利益を損なうことになる。誰も(靖国問題を)外交カードに使おうとはしていない。なぜ、そういわれるのかわからない」とのべました。

 小泉首相は、「靖国は外交カードにならない」と発言しています。


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