2005年11月25日(金)「しんぶん赤旗」

地方公務員削減

経財会議が純減で指針

教育・福祉 くらし直撃


 経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)が十四日に決めた公務員の「総人件費改革基本指針」では、地方公務員のうち国が基準を定めている分野(国基準関連分野)について、基準を低めて強引に削減する方針を打ち出しました。


 「指針」は、国基準関連分野の職員として、教育・警察・消防・福祉関係の二百万八千人(表参照)をあげ、「地方の(削減)努力に加えて国が基準を見直すことにより、これまでの実績(五年間で4・2%)を上回る純減を確保する」としました。

表

 これをうけて自民党の片山虎之助参院幹事長は二十四日、「地方公務員は三百十万人いる。この機会に地方も(五年間で)7%くらいの定数削減計画をやるべきだ」と求めました。

 国基準関連分野はいずれも住民のくらしに直結する分野です。

 とくに人数の多い教職員削減を狙って、「指針」では「児童・生徒の減少に伴う(教職員の)自然減を上回る純減を確保するよう検討」していくと特記しました。

■よりよい教育求める父母ら

 子どもたちへのよりよい教育、少人数学級の実現を求める父母や国民、教職員の声は強いものがあります。それを反映して文部科学省は「第七次定数改善計画」(二〇〇一年度―〇五年度)で、公立の小中学校教職員については、児童・生徒が減ってもその分、教職員を減らすということはせず、「少人数授業などきめ細かい指導支援」をするなどとして加配してきました。

 同省は、〇六年度予算概算要求で小中学校の教職員を五年間に一万五千人増員する「第八次定数改善計画」(案)を盛り込みましたが、経財会議の「指針」はそれを大きく崩すものです。

■少人数学級の努力が水泡に

 全日本教職員組合(全教)は「『自然減を上回る純減』が押しつけられれば、各自治体がすすめてきた少人数学級の努力が水泡に帰し、過大学級に逆戻りすることは目に見えている」「(指針は)断じて認められない」としています。

表

 福祉分野でも、保育所や児童相談所、保健所、福祉事務所など、生活に密着する分野の公務員削減が狙われています。(表参照)

 新日本婦人の会の岡田麻也子・子ども教育部長は「三十人学級を求める署名は十六年間で累計三億四千万人にのぼっているのです。児童相談所も児童虐待が社会問題化してようやく増員がされてきたところです。保育士も最低限の人数で父母たちからは増員の願いが強い。こうした願いを踏みにじる公務員削減は許せない」と話しています。


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