2005年11月24日(木)「しんぶん赤旗」
米軍新基地阻止 一歩も引けぬ
辺野古で市民集会
沿岸案 “要さい化”“環境壊す”
沖縄
日米両政府が地元自治体の頭越しに合意した在日米軍の再編・強化計画に対し、国民的な反対運動が大きく広がるなか、米軍キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)沿岸域への新基地建設に反対する市民集会(主催・ヘリ基地反対協)が二十三日、地元住民らが五百八十四日にわたって座り込み行動を続けている、同市辺野古漁港そばのテント小屋前で開かれました。
小雨が降り続くなか、「県民の怒りの波を起こして何としても新基地を止めたい」との思いで参加した辺野古の女性(70)ら約三百五十人がかけつけました。県民世論を無視して新基地を押し付け、沖縄北部を要さい化しようとする政府の横暴に怒りの声を次々とあげました。
反対協の安次富浩代表委員は「名護市民投票の勝利や辺野古沖への新基地建設案を撤回させた市民・県民の運動を発展させれば、必ず沿岸案も阻止することができる」と訴え。辺野古住民でつくる、命を守る会の金城祐治代表は「子や孫の時代に、あの忌まわしい戦争を絶対に繰り返してはならない。一歩も引かない運動を展開し、新しい歴史をつくっていこう」とよびかけました。
続いて基地の県内移設に反対する県民会議、沖縄県統一連、県平和運動センター、平和市民連絡会、日本共産党、沖縄社会大衆党、社民党などの団体・政党代表が決意表明しました。
日本共産党からは古堅宗嘉県委員会書記長、前田政明、嘉陽宗儀の両県議をはじめ、多くの市町村議らが参加。名護市長選(来年一月十五日告示、二十二日投票)に立候補する我喜屋むねひろ名護市議も姿を見せ、参加者らとあいさつを交わしました。
▼沖縄新基地建設 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる最新鋭の恒久的な軍事基地を押し付けるもの。日米両政府はこれまで、新基地を名護市辺野古沖に建設する計画を進めてきましたが、県民の強い反対を受けて破たん。両政府は十月二十六日、米軍キャンプ・シュワブの兵舎地区と大浦湾、辺野古沖などを一部埋め立てて建設する案(沿岸案)で合意しました。
しかし天然記念物のジュゴンが生息し、自然の宝庫である大浦湾を埋め立てる計画に自然保護団体などが強く反発。滑走路が住宅地に接近するため、騒音や墜落の危険性もいっそう高まっており、地元紙の県民世論調査では九割が反対しています。名護市議会は米軍新基地案に反対の意見書と決議を可決しています。