2005年11月20日(日)「しんぶん赤旗」

鳥感染・災害で協力

APEC首脳会議が閉幕


 【釜山=中村圭吾、面川誠】当地で開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の第十三回首脳会議は十九日、貿易・投資の自由化をいっそう進める一方、経済的格差を解消し「恩恵を平等に共有すべき」だとする宣言(釜山宣言)を発表して閉幕しました。宣言は鳥インフルエンザ、自然災害対策での協力強化も強調しています。

 北朝鮮の核開発をめぐる六カ国協議は宣言には盛り込まれず、首脳会議で「追加的な実質的進展を期待し、九月の共同声明を歓迎し、『公約対公約』『行動対行動』の原則で誠実な実践を求める」(盧武鉉・韓国大統領)との立場を確認しました。

 首脳会議はまた、世界貿易機関(WTO)の香港閣僚会議が十二月に開かれることから、新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の前進を強く求める特別声明を採択し、二〇一〇年までに先進国が農業の輸出補助金を撤廃することなどを要求。先進国は二〇一〇年まで、途上国は二〇年までに貿易・投資を自由化するとしたAPEC「ボゴール目標」達成のために、今回採択された「釜山ロードマップ(行程表)」の実践も盛り込みました。

 今後のAPECの活動として、社会・経済的格差への対処を研究していくことで合意、「すべての国民が貿易自由化と経済成長の恩恵を平等に共有する機会を持つことが重要」だとしました。

 宣言は「人間の安全保障」分野で、テロ対策、ワクチン・治療薬開発などの鳥インフルエンザ対策、自然災害、原油価格高騰への対処などで共同していくと強調。

 鳥インフルエンザ対策では行動計画で結束と実行を誓約。二〇〇六年十一月までに対応計画をつくり、情報交換と監視体制の強化、ワクチン・治療薬の開発・研究体制を整えるとしています。


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