2005年11月19日(土)「しんぶん赤旗」

北朝鮮非難の決議

国連総会第3委員会

拉致問題盛り込む


 【ワシントン=山崎伸治】社会・人道・文化の問題を扱う国連総会第三委員会は十七日、欧州連合(EU)などが提出した北朝鮮の人権状況に関する決議案を賛成八十四(日本、米国など)、反対二十二(ロシア、中国など)、棄権六十二(韓国など)で採択しました。

 決議は「北朝鮮政府による組織的で広範囲に及ぶ深刻な人権侵害について報告が続いている」として、その一つに「強制的な失そうというやり方で外国人を拉致したことにかかわる未解決の問題」をあげました。日本人拉致問題が決議に盛り込まれたのは初めてのことです。日本は「北朝鮮に国民を拉致された国の一つであり、決議を歓迎する」と発言。韓国は「北朝鮮における人権状況の前進を達成するために努力しており、そうした努力は協力と公開性という枠組みの中で追求されている」とのべ、そうした観点から決議に棄権したとのべました。

 インドネシアは特定の国に対する決議には反対する姿勢を示しつつ、「外国人の拉致にかんしての、国際社会からの当然の懸念について、北朝鮮はそれ相当の注意を払うべきである」と表明しました。

 採決にあたって、北朝鮮は「決議はでっち上げにもとづく誤りであり、国内問題への干渉を意図したものだ」とのべました。

 さらに、決議に反対した諸国からは「特定の国を非難する決議は人権や諸国民間の理解を促さず、むしろ加盟国間に対立をもたらす」(ベネズエラ、キューバ、マレーシアなど)といった意見が表明されました。


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