2005年11月18日(金)「しんぶん赤旗」

国民に「自助努力」要求

社保審部会 医療制度で財界委員


 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)医療保険部会は十七日、厚労省の医療制度改革試案にたいする意見集約をおこないました。財界側の委員が「民間保険で自助努力を」と公的医療保険の縮小を求め、医師会、地方代表の委員と激しい議論を交わしました。

 松原謙二・日本医師会常任理事は「試案はほとんど経費削減を目的にしたものだ」と厚労省案を批判しました。これにたいし経済成長に連動した医療費削減を主張する日本経団連の斎藤正憲・医療改革部会長は「経済は避けて通れない。先の世代に負の遺産を残してまで医療が大切とは思わない」などと発言。さらに「国民が民間保険など自助努力を欠かさないようにということにもふれてほしい」とのべました。

 これには、漆畑稔・日本薬剤師会副会長が「国民のためにならない医療制度も負の遺産。お金の話だけで話すのは間違っている」と反論しました。河内山哲朗・全国市長会国民健康保険対策特別委員会委員長も「持続可能な公的保険制度のためというのが議論のスタートにある。(民間保険を持ち出して)そのことを全否定すると、長期的に国民が幸せな改革なのか疑問がある。国民皆保険は日本の文化」とのべました。山本文男全国町村会会長も「財政優先の考え方をするべきではない」と苦言を呈しました。


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