2005年11月18日(金)「しんぶん赤旗」

「代価」発言 “総理の言うことか”

基地強化合意 日米会談後も

地元首長は反発

神奈川県知事“裏切り行為”


 十六日の日米首脳会談で在日米軍の再編・強化をめぐって小泉純一郎首相が「しかるべき負担、代価を払っていかなければならない」と表明したことに対して、基地を抱える自治体・首長などから強い反発と抗議の声があがっています。

 額賀福志郎防衛庁長官は十七日、神奈川県と、周辺の相模原市、座間市を訪ね、在日米軍再編の「中間報告」に盛り込まれた米陸軍第一軍団司令部(ワシントン州)を改編した新司令部のキャンプ座間(相模原市、座間両市)への移転などについて神奈川県の松沢成文知事、相模原市の小川勇夫市長、座間市の星野勝司市長にそれぞれ理解を求めました。

 松沢知事は、横須賀基地を事実上の母港とする通常型空母の後継として原子力空母の配備が決まったことなども挙げ、「神奈川がいじめられている気がする。事前に説明がなかったのは裏切り行為だ」と強く批判しました。

 小川相模原市長は「全面的に受け入れられない」と改めて反対の意思を表明。星野座間市長も、国に繰り返し反対を要請し、国から「中間報告」前に誠意をもって必ず説明するとの約束を得ていたことを指摘し、「まったくそれがなされなかったことは、非常に遺憾だ」と厳しくただしました。

 額賀長官は「説明等を含めて不十分だった」と認め、キャンプ座間については「(基地の)強化と認識している」と発言しました。

 星野座間市長は「日米安全保障条約や地位協定が存在していることは、事実として認めなければいけないが、今後は、日本が、みずからの平和と安全を守るうえで、そのかかわり(米軍基地の負担)の軽減をどう図るかが、国民全体で考えていくべき問題だ」との考えを表明しました。


■相模原・小川市長 命かけて反対する

 病気をおして額賀長官との会談にのぞんだ相模原市の小川勇夫市長は、記者会見で小泉首相の「代価」発言について、「日本の総理大臣の言うことじゃない」と厳しい口調で批判。「相模原のためなら命を懸けるのはちっとも惜しくない」と反対の決意を述べました。


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