2005年11月17日(木)「しんぶん赤旗」
世界規模で日米同盟強化
首脳会談で一致
小泉首相 基地負担は「代価」
小泉純一郎首相とブッシュ米大統領は十六日、京都迎賓館で約一時間半にわたって首脳会談を行いました。両首脳は「世界の中の日米同盟」を再確認し、地球規模でいっそうの同盟強化を図ることで一致しました。首相は在日米軍の再編・強化について関係自治体がいっせいに反発しているにもかかわらず、政府挙げて進める考えを示すとともに、十二月に期限が切れる自衛隊のイラク派兵を延長する意向を強く示唆しました。
会談で大統領は「日米関係はアジア、世界平和のアンカー(いかり)だ」とし、米国の世界戦略の中で日米同盟が要の役割を果たすことを強調。会談後の共同記者会見で首相は「日米関係が良ければ良いほど中国、韓国、アジア諸国をはじめ世界各国との良好な関係を築ける」「国際社会の中での日米の役割を共同しながら果たしていくよう緊密な関係を維持していきたい」と応じました。
また、首相は会見で、在日米軍の再編・強化について「平和と安全の中に日本の経済的発展がある。経済的発展という恩恵を受けるためには、しかるべき負担、代価を払っていかないといけない」と述べ、基地を抱える自治体や住民への負担の押し付けを当然視。日米間で十月末に合意した再編案の実現に「政府一体となって最大限の努力を払う」と強調しました。
十二月十四日に期限切れを迎えるイラクへの自衛隊派兵の問題では「(イラクやアフガニスタンに対し)国際社会の一員としてしっかり支援していかなければならない」と言明しました。
BSE(牛海綿状脳症)発生による米国産牛肉の輸入禁止問題では、大統領が会談で「米議会はこの問題への関心が非常に強い」と述べ、輸入再開を要求。会見でも「日本の専門調査会が米国産牛肉は安全だとの判定を出してくれた」と強調しました。
これに対し首相は会談で「安全性に配慮しつつ、できるだけ早期に日米間で双方向の牛肉貿易を再開したい」と述べ、十二月にも輸入を再開する考えを明らかにしました。
このほか、北朝鮮の核開発問題や日本人拉致問題、鳥インフルエンザの感染予防などでも議論しました。