2005年11月16日(水)「しんぶん赤旗」

沖縄新基地埋め立て権限

知事から取り上げ検討

官房長官


 安倍晋三官房長官は十五日、沖縄の普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地をキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)に建設するため、海域の埋め立て承認権限を県知事から国が取り上げる法的措置の検討に入ることを、政府として公式に明らかにしました。

 在日米軍再編に関する関係閣僚会議(座長・安倍長官)の初会合後に行った記者会見で述べたもの。現行法では海面の埋め立てには都道府県知事の承認が必要で、沖縄県知事が反対すれば新基地建設は進みません。埋め立て承認権限の取り上げは、知事が反対しても建設を強行するのが狙いです。

 会見で安倍長官は、この日の関係閣僚会議が、在日米軍再編の「中間報告」を早期に実現する具体策を検討するため、関係省庁の事務レベルによる幹事会の設置を決めたことを紹介。「中間報告」に盛り込まれたキャンプ・シュワブ沿岸部への新基地建設のため、埋め立て承認権限を県知事から取り上げる法的措置についても「幹事会で提言をしていくことになる」と明言しました。

 沖縄県民の世論調査(「朝日」十五日付)では、キャンプ・シュワブ沿岸部への新基地建設について「反対」が72%にのぼっており(「賛成」は15%)、埋め立て承認権限の取り上げという政府の強権的な動きにもすでに反発が広がっています。


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