2005年11月12日(土)「しんぶん赤旗」

GDP伸び鈍化

7―9月0.4%増

個人消費落ち込む


図

 内閣府が十一日発表した二〇〇五年七―九月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期(四―六月期)比0・4%増でした。物価が下落しているもとでは、より実感に近い名目でも0・2%増。四期連続でプラス成長となったものの、成長が鈍化していることが鮮明となりました。小泉政権が計画している大増税の議論にも影響を与える結果です。

 伸びが鈍化したのは、景気のけん引役である個人消費と民間設備投資がともに鈍ったため。個人消費は前期比0・3%増にとどまり、設備投資は0・7%増に落ち込みました。一部大企業は空前の大もうけをしていますが、それに見合った波及効果が家計にみられません。雇用者報酬も0・1%増と横ばいです。

 原油高騰の影響で輸入額が大幅に増加したことも成長率を押し下げました。外需は二期ぶりにマイナスとなり、外需依存の経済成長に黄信号がともっています。

 財界からも「原油価格など不透明な要因があり、手放しの楽観は許されない」(奥田碩日本経団連会長)「地域経済や中小企業はあまねく景気回復を実感できる状況にはない」(山口信夫日本商工会議所会頭)として、政府に来年度税制「改正」や予算編成で「せっかく回復しつつある景気を後退させることのないよう望みたい」(山口会頭)との声が出ています。


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