2005年11月10日(木)「しんぶん赤旗」
不正問題で引責の市長 また出るの!?
こんな大阪市政直す人 姫野さんにエール
大阪市長選(十三日告示、二十七日投票)は、ヤミ年金、カラ残業など市役所内の不正問題で関淳一前市長(70)が辞職したことに伴うものです。同市長選には、日本共産党の姫野浄(きよし)前市議団長(70)が立候補を表明。市民から「よく立ってくれた。いま市政を立て直せる人だ」と歓迎の声が高まっています。その一方で、関前市長にたいし「なぜ責任をとって辞めた市長が再立候補するのか」との疑問の声が噴出しています。
■「オール与党」 42年間
大阪市政は、四十二年前の一九六三年から連続五代、助役出身の市長が続いてきました。再立候補する関前市長は、五代目の市長です。
この市政を支えたのが、政党では自民、公明、民主(旧社会、民社党も含む)の、日本共産党以外のいわゆる「オール与党」であり、労働組合では連合、市労連(大阪市労働組合連合会)などでした。
市長選での「オール与党」候補の連続当選はそれを支えた勢力への「論功行賞」となってあらわれました。後に発覚する議員や幹部職員の飲み食い接待事件やヤミ年金・ヤミ退職金問題につながっています。市政の不正・腐敗を一掃するには、「悪の連鎖」と呼ばれる「オール与党」・市労連による助役から市長への「世襲」を断ち切ることが不可欠です。
関氏は局長四年、助役八年、市長二年つとめました。市民のつよい批判をあびている一連の不正問題の中心人物であり、再立候補する資格が問われています。
■財界・「解同」言いなり
大阪市の年間予算は、一般会計と特別会計を合わせると約四兆四千億円余で府の予算額とほぼ同額です。この豊かな財源を市民本位に使うのか、それとも、関西財界や「解同」(部落解放同盟)いいなりに使うのかで市政のあり方は大きく違います。
市役所内の不正問題で問われた、ヤミ年金・退職金問題は、市労連と市が一九八九年に秘密協定を結んで九三年から実施したもの。条例にもとづかず、財源は予算案の職員給与の項目に隠してこっそり通していました。
ほかにも、カラ残業、職員のスーツ支給、団体生命共済掛け金などで多額の公費を支出しており、市民の批判を受けて、今年の当初予算で削減した経費分で百六十六億円になります。
姫野団長を先頭にした日本共産党市議団は、こうした問題点を真っ先にとりあげ、市議会で調査・解明するための百条委員会の設置を提案しました。これを否決したのが「オール与党」です。
また、「オール与党」は、市の監査委員から日本共産党議員を一貫して排除する態度をとりつづけ不正の発覚を妨害してきました。
しかし、日本共産党は市議会での追及をつうじて、市の外郭団体への天下り職員の退職金の廃止、市長の交際費を減額させるなどの是正をさせました。
姫野候補の公約には、この不正の抜本改革とともに、大型開発推進や同和行政に厚く配置された職員を大幅に削減する一方、市民サービスに従事する職員は必要な人数を配置するなど、市役所全体を「市民に奉仕する市役所に」変えることを「四つの改革」の第一に掲げています。
■むだ削り 市民本位に
議会で多数を占める「オール与党」に支えられた歴代大阪市長は、関西財界、大阪府とともに「四者懇談会」(府知事、関西経済連合会会長、大阪商工会議所会頭、大阪市長の四者で構成)を定期的に開催。浪費をすすめる大型公共事業を推進してきました。
市も資金を投入する関西国際空港二期事業や大阪湾ベイエリア開発などは無駄な大型公共事業の典型です。
市が特別調停に持ち込んだWTC(ワールド・トレード・センター)や会社更生法申請となった大阪ドーム球場など第三セクターの失敗は目を覆うばかりです。
さらに、関市長自身が辞職理由の一つに挙げた百三十億円の貸付金が焦げ付いている芦原病院問題は不公正・乱脈な同和行政の結果です。
姫野さんは市議十期三十五年間に五代の市長と論戦してきた大ベテラン。松下電器で働き、六〇年に組合書記長に選ばれたあと解雇、十年間たたかい勝利和解しました。「働く人々とともに」が政治信条です。
姫野さんは、八日夜の市民大集合の決起集会であいさつし、「大阪市をよみがえらせたい。市長選は大阪市政に地方自治をつくっていくたたかいであり、住民が主人公の市政にしていくたたかいの土台になります。力を合わせて『オール与党』政治を突き崩していきましょう」と力強く呼びかけました。
■共産党が応援 敬老パス守った
全日本年金者組合大阪府本部の垣内健書記次長 昨年十一月に敬老パスをなくす市の計画を八万人の署名を集めてやめさせました。このときの日本共産党議員団の応援は本当に心強いものでした。今の市政の不正・腐敗を正せるのは長年にわたって市の横暴を追及してきた、日本共産党の姫野さんをおいてほかにありません。
■女性が生きいき働けるように
新日本婦人の会大阪府本部の沖野純子副会長 関前市長が「責任をとる」というなら選挙に出るべきでないと思う。市民サービスを切り捨てる「市政改革マニフェスト」にだまされてはいけない。無駄な大規模開発はいいかげんにやめてほしい。市政をよく知っている姫野さんで三十人学級を実現し、敬老パスを守り、女性が生きいき働ける大阪にしてほしい。

