2005年11月10日(木)「しんぶん赤旗」

国立美術館などの統合反対

平山郁夫東京芸大学長ら声明

小柴昌俊・俵万智さんら賛同


 平山郁夫東京芸術大学学長、高階秀爾大原美術館長の両氏は九日、国立美術館などを統合させようとするなどの政府内の動きを批判する声明を、小坂憲次文科相と河合隼雄文化庁長官に提出しました。

 「効率性追求による文化芸術の衰退を危惧する」と題したこの声明は、文化芸術の振興には「市場原理や効率性・採算性とは相容れない面」があると指摘し、一律な効率性追求は「極めて危険である」と述べています。

 そして、国立美術館・国立博物館・文化財研究所の統合や、入札で運営を民間にゆだねる「市場化テスト」適用などは、「わが国の文化芸術の衰退につながるものと危惧の念を覚えざるを得ない」と批判しています。

 さらに、五年前の独立行政法人への移行や統合の経緯に触れ、「性急にさらなる統合を行うことは、これまでの努力を無にし、文化施設の多様性の喪失につながる」として、むしろ学芸員などの人員や調査研究活動の充実が図られるべきだと述べています。

 同声明には、有馬朗人元文相、建築家の安藤忠雄氏、ノーベル賞受賞の物理学者小柴昌俊氏、歌人の俵万智さんなど三十六人の芸術・文化関係者が賛同しています。


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