2005年11月6日(日)「しんぶん赤旗」
原爆ドームにいのちの歌
うたごえ祭典inひろしま
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「うたごえ祭典inひろしま」二日目の五日、原爆ドーム前を流れる元安川の川べりの野外ステージで、コンサート「いのちのハーモニー」が開かれました。橋にも観客があふれ、二千五百人が参加。青年や各地の合唱団が歌う「献歌のつどい」で始まり、ハンドベル「小さな祈り」の穏やかな音色や大合唱の音楽会へと続きました。
海外ゲストの登場に観客の声援が一段と大きくなりました。チェルノブイリ原発事故で被ばくした歌手のナターシャ・グジーさんは、当時六歳。妹のカーシャさんと来日しウクライナの民謡「キエフの鳥の歌」などを歌いました。澄み切った声と民族楽器バンデューラの弦の響きが原爆ドームに向かって流れていきます。「見上げてごらん夜の星を」には客席が静かに聞きいりました。
韓国の民衆歌手・金元中(キム・ウォンヂュン)さんがギターを抱えて現れると会場がいっそう激しく沸きました。金さんの音楽活動は約二十年。最初フォーク歌手として活躍します。軍部が民衆を大弾圧した光州事件を体験し、「自由、民主、人権」のメッセージをこめて歌い出して民衆歌手と呼ばれるようになりました。「平和はそれを守ろうとする人たちのものです」と金さん。「織り姫へ」や韓国の民主化運動で歌われた「朝露」を歌うと手拍子が聞こえはじめました。