2005年10月29日(土)「しんぶん赤旗」

米、原子力空母を配備

08年横須賀に 日本政府受け入れ


 【ワシントン=山崎伸治】米海軍は二十七日、米海軍横須賀基地(神奈川県)を母港にしている通常型空母キティホークを二〇〇八年に退役させ、代わりにニミッツ級の原子力空母(排水量九七、〇〇〇トン、全長約三百三十三メートル)を配備すると発表しました。米原子力空母が日本に配備されるのは初めてです。日本政府は二十八日、受け入れを表明。神奈川県や横須賀市は放射能汚染などの問題に懸念を示し、強く反発しています。

 米海軍は、横須賀に配備するのは、ニミッツ級原子力空母九隻のうちの一隻としていますが、どの艦が配備されるかは明らかにしていません。現在、米海軍厚木基地(神奈川県大和市など)に配備している空母艦載機部隊(第五空母航空団)はそのまま残し、「構成にも変化はない」としています。

 米空母の横須賀母港化は一九七三年十月に始まり、これまでに三隻の通常型空母が配備されてきました。横須賀の空母機動部隊は、湾岸戦争やアフガニスタンでのテロ報復戦争、イラク戦争など米軍の地球的規模での戦争で中心的な役割を担ってきました。

 米海軍は、地球的規模での米軍態勢再編の一環として「西太平洋での空母二隻態勢」を進めようとしています。ハワイなどへの新たな配備とともに、横須賀を米空母の母港として強化・恒久化することを狙うものです。

 ▼原子力空母 二基の原子炉を動力として航行する空母。熱出力は、日本国内で稼働している原子炉一基(約百万キロワット)に匹敵します。原子力空母が原子炉事故を起こした場合、房総半島南端から東京都までの半径数十キロで放射能汚染の危険があるとの指摘もあります。仮に大規模な事故が起きなくても、原子力空母の修理や定期点検が横須賀で行われることになれば、放射能汚染物質の搬出による放射能漏れや、作業員の被ばくの危険性があります。横須賀には原子炉を整備・点検する設備がありません。日本国内に新たに建設するのか、米本国まで戻って定期点検を行うのか、という課題も生じてきます。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp