2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」

NTT賃金差別認定

最高裁 2人に1350万円支払い命令


 NTTが就業規則を一方的な変更により賃金で不利益を受けたとして、元NTT労働者二人が受け取れたはずの賃金との差額支払いを求めていた裁判で二十五日までに、最高裁(甲斐中辰夫裁判長)は会社側の上告を棄却。約千三百五十万円の支払いを命じた原告全面勝利の大阪高裁判決が確定しました。

 裁判は、NTTが一九九七年、「国際競争力の強化」を掲げ、五十五歳以上の副参事(課長級)をすべて「特別職群」に移行させ、賃金三割カットの制度を導入。大幅賃下げを受けた藤井雅夫さん(64)=京都市=が同年提訴、藤田宗孝さん=奈良県=も加わりました。二〇〇一年、京都地裁は原告敗訴の判決を出しましたが、〇四年五月、大阪高裁で「就業規則の変更は必要性が十分検討されたとはいえないうえ、不利益も著しい。適用する合理性はなく無効」とNTTを断罪しました。

 同日、藤井さんが京都市内で記者会見。「うれしい。当たり前のことを当たり前のこととして裁判所が認めてくれたことに感謝します」と表明。退職強要に応じなかったことで会社から受けた嫌がらせや、通信労組(全労連加盟)が支援してくれたことを語りました。

 中村和雄弁護士は「賃下げの不利益を被ったのは五百人を下らないと考えられ、全員が救済されなければならない」と指摘。「NTTリストラは間違いだと最高裁が認めた。これを機に五十一歳以上の六万人の配転を強行してきたNTTは十分に反省を」と判決確定の意義を強調しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp