2005年10月20日(木)「しんぶん赤旗」

使用済み核燃料中間貯蔵施設

青森県が受け入れ表明


 三村申吾青森県知事は十九日、県庁で記者会見し、東京電力などが青森県むつ市に計画している使用済み核燃料中間貯蔵施設についての立地協力要請を「安全確保を第一に受諾する」と受け入れることを正式に表明しました。原発から出た使用済み核燃料を再処理するまで保管する中間貯蔵施設の受け入れは、全国で初めてです。

 むつ市に計画されている中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電が出資する新会社が事業主体となるもので、二〇一〇年までに操業開始をめざすとしています。

 同市関根浜地区に二棟の貯蔵施設を建設し、合わせて五千トンの使用済み核燃料を最長でそれぞれ五十年間貯蔵するというものです。

 知事の受け入れ表明を前にした十八日、「核燃料サイクル施設立地反対連絡会議」は、知事に「受け入れるべきではない」と申し入れました。

 同連絡会の諏訪益一代表委員(日本共産党県議)、小山内孝事務局長ら代表三人が、桜庭洋一県資源エネルギー課長に知事への申し入れ書を手渡しました。

 申し入れでは、▽中間貯蔵施設は、使用済み核燃料を全量再処理するという路線の破綻(はたん)を示すもの▽貯蔵施設の耐震性、予定地の地震・津波発生の可能性の検討が必要▽中間貯蔵終了後の使用済み核燃料の搬出先を担保するものはなく、永久貯蔵になる恐れがある―などとして、「受け入れるべきでない」と要求しました。

 ▼核燃料中間貯蔵施設 原発で使用した後の使用済み核燃料を一時的に貯蔵する施設。現在、使用済み核燃料は原発の敷地内に保管されていますが、敷地内の施設は満杯に近づいています。満杯になると核燃料の交換ができず、原発の運転ができなくなります。

 国の原子力政策では使用済み核燃料をすべて再処理してプルトニウムと燃え残りのウランを取り出して再利用することになっています。そのため、使用済み核燃料は青森県・六ケ所村の再処理工場に運び出すことになっていますが、それではまにあわないため、つくられることになったのが中間貯蔵施設です。現在のまま原発の運転を続ければ、中間貯蔵施設を増やし続けることになります。


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