2005年10月19日(水)「しんぶん赤旗」

６０年待った　原爆症認定早く

１０・１８集会　原告ら切々と

　「被爆者はもう待てない！」「われら生命もてここに志す　原爆許すまじ」などと書かれた横断幕やのぼりが壇上を埋めました。東京で開かれた「被爆６０年　１０・１８大集会」（日本被団協主催）では、原爆症認定集団訴訟の勝利をめざし、原告や支援者らが決意を語りました。

　「母親は死体もない。どこで死んだかもわからない」。神奈川の原告、横山弘さんは声を詰まらせながら訴えました。広島で被爆し、自分一人を残してクラスの全員が死亡しました。

　「亡くなっていった被爆者を思い、原告となった」と語り、「自分が生きている間に絶対に勝利する」と表明しました。

　長崎の原告、森内実さんは、二十九人で訴訟を起こしましたが、四人が死亡したと紹介。「被爆者は六十年たったいまも死と向き合って生きている」と苦悩を語り、「被爆者の現状を政府はわかろうとしない。まず日本政府が目覚めて、核兵器廃絶を世界に訴えてほしい」と力をこめました。

　原爆症認定集団訴訟では、来春に大阪地裁で全国初の判決がだされる予定です。

　裁判の支援者や弁護士も次々発言。「みなさんの力で裁判を勝利へ導いてほしい」といっそうの支援を呼びかけました。

　歌手の小室等、寺井一通、横井久美子さんらが熱唱。会場の大きな拍手に包まれました。