2005年10月19日(水)「しんぶん赤旗」

小泉首相靖国参拝

世界の目きびしく


■町村外相の訪中を拒否

■中国

 【北京=菊池敏也】中国外務省の孔泉報道局長は十八日の定例記者会見で、小泉首相の靖国神社参拝を「中日関係の政治基礎を破壊した」と厳しく批判するとともに、二十三、二十四の両日で調整されていた日本の町村外相の訪中について「受け入れがたい」と拒否することを表明しました。

 同報道局長は、「日本の指導者がいかなる時、いかなる形式であろうと、A級戦犯がまつられた靖国神社に参拝するのは断固反対だ」「参拝の本質は非常に深刻で、小泉首相は自らの約束に背き、世界人民にたいする約束を履行せず、中日関係の基礎を破壊した」と言明。「現在の日中関係は厳しく、町村外相の訪問はタイミングがふさわしくなく、受け入れがたい」とのべました。

■軍国主義の歴史観批判

■米紙

 【ワシントン=鎌塚由美】小泉首相の靖国神社参拝について、十八日付米紙ニューヨーク・タイムズは「無意味な挑発」と題する社説を掲載し、「首相は日本軍国主義の最悪の伝統を公然と奉ずる挙に出た」と厳しい批判を行いました。

 社説は「靖国神社とその付属博物館は、朝鮮、中国、東南アジアに非道なつめ跡を残した日本の暴挙を謝罪しようとしない見解を鼓吹している」と指摘。首相に対し「日本は二十一世紀に誇りを持って踏み出せるよう二十世紀の歴史を直視する時期にきている」と勧告しました。

 同紙は十七日付でも首相の靖国神社参拝を速報、「神社の宮司やその博物館は、日本の戦争は西側列強からアジアを解放するためであり、第二次世界大戦は米国によって強要されたとの考えを強力に主張している」と指摘しています。

 またロサンゼルス・タイムズ紙十七日付は、国内外の批判をよそに小泉首相が靖国参拝を行ったと報道。小泉首相は従来の参拝の際のように正装ではなかったが、「それは靖国神社参拝自体を国粋主義是認と見る人々をなだめるには十分ではないだろう」と指摘。「神道は、日本軍がアジアの広範囲を侵略し植民地化した帝国日本時代の国家宗教である」とも述べ、靖国神社には「アジア解放を崇高な大義とし、日本の軍国主義を美化する博物館がある」ことを紹介しています。


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