2005年10月18日(火)「しんぶん赤旗」

欧州配備の米核撤去を

英核軍縮運動が決議

イラク占領反対も


 【ロンドン=岡崎衆史】英核軍縮運動(CND)の年次大会が十五、十六の両日ロンドン市内で開かれ、欧州に配備されている米国の核兵器撤去を求め、イラク占領と先制攻撃戦争に反対する決議を採択しました。

 決議は、北大西洋条約機構(NATO)が先制核攻撃戦略を掲げていることを指摘し、英政府に対し、NATOの核使用政策を拒否し、NATOから脱退するよう求めました。

 また、欧州とトルコの六カ国にある八カ所の基地に配備されている米国のB61核爆弾四百八十発の撤去を求める運動を強化することを確認。百十発が配備されている英国のレークンヒース基地から撤去を求める運動を強めることを決めました。

 英政府に対しても核軍縮を要求。潜水艦搭載のトライデント核ミサイルを新たな発射システムに更新しないよう求めるとともに、現有の核システムについても反対世論を強めるとしています。

 イラク問題で、決議は、戦争で十万人のイラク民間人が死亡したとみられていることを挙げ、「違法な侵略と占領だ」と非難しました。

 大会で発言したソフィー・ボルト副議長は、イラクの脅威を口実に核先制使用戦略を正当化した英国政府が、今度はイランの脅威を理由に新しい核兵器システムの開発を進めようとしていると批判。米英の中東支配戦略と核兵器の関連を指摘し、「占領と戦争、核兵器の脅威に対して最大の反対運動をつくりあげよう」と表明しました。

 大会は、ケート・ハドソン議長と三人の副議長を再選しました。

 ▼英核軍縮運動(CND) 一九五八年に創立された英国の反核平和団体。会員数約四万人。下院議員六百四十六人のうち現在超党派の五十人が支持しています。国内で地道に運動するとともに、日本の原水爆禁止世界大会に代表を送るなど世界で核兵器廃絶と平和のために活動しています。


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