2005年10月15日(土)「しんぶん赤旗」

将棋新人王戦決勝三番勝負第二局

渡辺、狙いの香打で決める

　第三十六期将棋新人王戦決勝三番勝負は将棋界トップのタイトル保持者渡辺明竜王か、対戦成績で三連勝を重ねた千葉幸生五段か、注目された一戦でしたが、第一局をものにした渡辺竜王が第二局でも堅固な布陣を生かし落ち着いた指し回しで貫録を見せました。

　立会人の宮田利男七段、関口孝夫赤旗編集局長が見守るなか、先手の千葉五段は四間飛車、後手の渡辺竜王は居飛車穴熊という第一局と同様の、両者得意の構えで長期戦の展開となりました。

　午前中から午後にかけて長い序盤戦が続き、双方とも一歩も譲らないこう着した状況となりました。

　渡辺竜王は夕刻近く金銀四枚の堅固な穴熊を完成、千葉は飛車を５筋から８筋へ転回して攻勢をかけるチャンスを狙いました。その後、互いに飛車を交換、終盤戦に突入しました。千葉五段は敵陣にと金を作って穴熊の一角を崩しにかかり、渡辺竜王は飛車を打ち込んで桂馬、香車を奪って激しい攻め合いの終盤戦となりました。

　最後、渡辺竜王が狙いすまして千葉陣の奥深く１七の地点に香車を打ち、これが決定打となって千葉五段を一気に寄せ切りました。

先▲五段　千葉幸生

　△竜王　渡辺　明

▲７六歩△３四歩▲６六歩△８四歩▲６八飛△６二銀▲４八玉△４二玉▲３八銀△３二玉▲３九玉△５四歩▲７八銀△５二金右▲６七銀△５三銀▲５八金左△３三角▲４六歩△２二玉▲３六歩△８五歩▲７七角△４四歩▲３七桂△１二香▲４七金△１一玉▲５六歩△２二銀▲５八飛△４三金▲５五歩△同歩▲同飛△５四歩▲５九飛△７四歩▲２八玉△３二金▲１六歩△７二飛▲１五歩△７五歩▲同歩△同飛▲２六歩△２四角▲２五歩△３三角▲２七銀△９四歩▲３八金△４二銀▲７六歩△７四飛▲６八角△３一銀右▲５五歩△同歩▲同飛△５四歩▲６五飛△６四歩▲８五飛△８四歩▲８六飛△６五歩▲５三歩△４五歩▲同桂△４四角▲５七角△７三桂▲７五歩△同飛▲５二歩成△８五歩▲７六飛△同飛▲同銀△８八飛▲６三飛△８九飛成▲５三と△４二歩▲４三と△同歩▲５三桂成△９九竜▲４五歩△５五角▲４六金打△６六角▲同角△同歩▲６四角△１七香▲４三成桂△１九竜▲３七玉△４三金▲同飛成△１八香成▲５六金寄△１七成香▲４六玉△５九竜▲２四歩△１九角（投了図）まで１１０手で渡辺竜王の勝ち。