2005年10月15日(土)「しんぶん赤旗」

米軍基地強化に反対

3地域ユネスコ協会

政府は「世界遺産守る義務がある」


■宮島・岩国・広島

 米航空海兵隊岩国基地(山口)に米海軍厚木基地(神奈川)の空母艦載機部隊とNLP(夜間離着陸訓練)を移転させる構想に、宮島、岩国、広島のユネスコ協会が反対を表明しました。騒音、墜落事故や部品落下など人命や文化遺産への影響が大いに危ぐされ、森林・海域の動植物生態系にも重大な影響があると警鐘を鳴らしています。

 十四日、県庁で会見した井口健・宮島ユネスコ協会会長は「世界遺産・宮島を脅かす厚木からの移転は断じて許されない。これまで地元の自治体・住民が署名に取り組んできたが、われわれこそもっと世界遺産を守るという観点から意見表明をしなければと思うに至った」と語りました。

 宮島は岩国基地から最短八キロメートル。社殿を中心とする厳島神社や海に浮かぶ朱色の鳥居、前面の海や貴重な自然環境がある弥山(みせん)原生林など、島全体が文化的景観を成していると評価されています。

 井口氏は世界遺産条約の条文にも触れながら、「日本政府は条約に加盟した以上、世界遺産を官民一体となって守る義務があるはず。日米安全保障によって、そのことがないがしろにされることがあってはならない」とも述べました。

 決議文は首相や関係大臣、山口・広島県知事、岩国・廿日市など周辺市町、上部団体の日本ユネスコ協会(二百九十一地域ユネスコ協会で構成)に送られました。


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