2005年10月15日(土)「しんぶん赤旗」

旧道路公団の未払い残業代

8億4500万円支払い

仁比議員の質問実る


■職員ら「世の中捨てたものではない」

 旧日本道路公団時代の職員にたいする未払い残業代約八億四千五百万円が十四日、東日本、中日本、西日本の各高速道路会社を通じて支払われました。

 同公団職員の「サービス残業」は、日本共産党の仁比聡平参院議員が今年三月の国会質問で取り上げたもの。その後、労働基準監督署が「サービス残業」を是正勧告して今回の措置となり、旧公団担当者が仁比議員に報告してきました。

 支払われたのは、今年二―三月分の未払い残業代。残業代支給の対象者は旧公団職員のほぼ全員にあたる約四千六百人。一人あたりの平均額は約十八万円にのぼります。

 仁比議員は三月十八日の参院国土交通委員会で、午前零時を回っても不夜城のように煌々(こうこう)と明かりがともる公団本社の写真を手に追及。「このままでは死んでしまいます」との公団職員の悲痛な訴えの手紙も紹介しながら、残業記録の改ざんが組織ぐるみでおこなわれている実態を告発しました。この問題については本紙(二月一日付)で報道していました。

 質問後、三月二十八日付で労働基準監督署は公団に、未払い残業代を今年二月一日に遡及(そきゅう)して支払うことを求める是正勧告をし、公団は、今年二―三月分の時間外勤務時間の実態調査をおこないました。

 公団職員の一人は「仁比議員の質問後、公団内の雰囲気がガラリと変わった。以前はサービス残業なんか当然との雰囲気があったが、今では少なくても、サービス残業は違法だという認識になっている。世の中捨てたものではない」と話しています。

■今後もきちんと監視

 仁比参院議員の話 旧道路公団は「コスト削減」と称して職員に違法なサービス残業を強いてきました。そのやり方は、タイムカードの集計を意図的に改ざんし、いくら残業しても一定時間分しか払わないという極めて悪質なやり方。今後も国民の立場から、公団民営化、談合や天下りの問題を含めきちんと監視していきたい。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp