2005年10月12日(水)「しんぶん赤旗」
座間に新設「検討中」
陸自司令部で防衛庁長官
緒方議員に
大野功統防衛庁長官は十一日の参院外交防衛委員会で、陸上自衛隊が二〇〇六年度中に新設する「中央即応集団」司令部をキャンプ座間(神奈川県座間市、相模原市)に設置する構想について「そのことも含めて検討中だ」と述べました。日本共産党の緒方靖夫議員の質問に答えました。
中央即応集団は、第一空挺(てい)団や特殊作戦群、国際活動教育隊など約三千二百人で構成される、本格的な対テロ・海外派兵部隊です。
また、緒方氏は米陸軍の新司令部(UEX)のキャンプ座間への移転について、ローレス米国防副次官が九月二十九日の米上院外交委員会で「われわれは日本に説明を行ってきている。今週、追加的な説明も行った」と証言したことを挙げ、新司令部の任務・規模をただしました。
これに対し、大野長官は「お互い、十分に理解しないといけない。(説明は)当然のこと」と述べ、説明があったことを認めました。一方、「今の段階では個別の基地について発言は差し控えたい」と答弁を避けました。
また、緒方氏は一九七一年の政府と座間町(当時)の覚書が、陸自の座間駐屯を「(施設部隊三百人の)一部使用」に限定していることや、「基地縮小に努力する」と明記していることを挙げ、「新司令部の受け入れは、これをほごにすることになる」と指摘。大野長官は「それも踏まえて対応したい」と述べるにとどまりました。
緒方氏は、「基地縮小の努力を約束しながら、米側と基地強化の協議を進め、新たに共用化を進めることは二重の覚書破りだ」と厳しく批判しました。

