2005年9月30日(金)「しんぶん赤旗」

米のイラク戦争批判

ブリクス前国連査察委員長


 二〇〇三年のイラク戦争前後にUNMOVIC(国連監視検証査察委員会)委員長を務めたハンス・ブリクス氏が二十九日、都内で講演し、米国の対イラク武力行使とその後の軍事占領を厳しく批判しました。

 ブリクス氏は、「UNMOVICはイラク国内の五百カ所の施設で七百回の査察を行っても大量破壊兵器は発見されなかったが、米英などはこれを無視した」と批判。「米政府の行動は明らかに対イラク先制攻撃だ。彼らは国連憲章をまったく考慮に入れていない」と述べました。

 また、日本政府も含めて用いた「イラクは数々の国連安保理決議違反を行った」というイラク戦争合理化論については、「安保理が戦争を決定する理由にはなっても、個々の国連加盟国が戦争する理由にはならない」と批判しました。

 米国が核の脅威を理由にイランと北朝鮮に対しても武力行使を選択肢にしていることは「国連安保理が認定していない単独行動主義だ」と懸念を示しました。

 一方、ブリクス氏は米国による世界支配について「不可能だ。米国によるイラク一国の平和回復の取り組みさえ、多くの問題を抱えている」と述べ、「むしろ世界は欧州連合のように、世界連邦のような構造に向かっているのではないか」との見方を示しました。


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