2005年9月27日(火)「しんぶん赤旗」

ポーランド

下院選で右派2党圧勝

条件付きイラク駐留延長も


 【ベルリン=片岡正明】ポーランドの下院選挙(定数四百六十、比例代表制)が二十五日実施され、保守野党の「法と正義」(PiS)と市場自由化を提唱する「市民プラットフォーム」(PO)の右派二党が圧勝し、現与党の民主左翼連合(SLD)は大幅に議席を減らすことが明らかになりました。投票率は40・17%。公式集計結果は二十七日に発表されます。

 二十六日の開票率90%の時点で、PiSは得票率26・8%(百五十二議席)、POは24・2%(百三十三議席)で、SLDは11・4%(五十六議席)。前回二〇〇一年の選挙で得票率41%だったSLDの敗北は、相次ぐ汚職事件のほか、失業率18%と高止まりする失業問題を解決できなかったことが大きな要因です。SLDは一九八九年まで与党だった統一労働者党の流れをくむ政党。

 一方、イラクからの即時撤兵を主張する民族右派の「自衛」は11・7%(五十七議席)、「家族連盟」が7・9%(三十三議席)でした。

 勝利した二党は、一九八〇年に結成されポーランド民主化に役割を果たした自主労組「連帯」の流れをくむ政党で、対米関係を最重視。現在イラクに千五百人が残るポーランド部隊の駐留延長もありうると表明しています。

 現政権のベルカ内閣は今年末までのイラク撤退を表明していますが、勝利した保守二党は、「米国から新たな財政的援助があれば」との条件付きでイラク駐留延長もありうると主張しています。

 具体的にはイラク駐留経費の援助のほか、イラクでのポーランド企業の受注や米国の対ポーランド投資の増大、ポーランド人の米国へのビザなし渡航を要求しています。

 二党で大きく食い違うのは経済政策です。POは、所得税率一律15%や国営企業の大幅な民営化、規制緩和、社会保障費の削減などの自由化政策を主張。

 これに対しPiSはカトリック教会の影響が強く、愛国主義と社会的保守主義を掲げ、弱肉強食の新自由主義的な経済改革には否定的です。


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