2005年9月24日(土)「しんぶん赤旗」

障害者・家族に負担増

「自立支援」法案に批判

きょうされん全国大会始まる


 今国会で再提出が予定されている障害者「自立支援」法案。二十三日から始まった「きょうされん」の全国大会(栃木・宇都宮市)で、批判の声があいつぎました。きょうされんは、障害のある人が通う小規模共同作業所や授産施設など全国千七百カ所が加盟。大会には、全国から障害者や家族、作業所職員など約二千九百人が集まりました。二十四日まで開催。

 「法案の応益負担は認めるわけにいかない」。主催者あいさつで立岡晄理事長が力をこめます。

 障害者が作業所で受け取る工賃は、月額平均一万円前後でしかないのが実情です。現行は所得に応じて利用料を払います。きょうされんによると、作業所で働く障害者は低所得者が多く、ほとんど利用料を払っていないといいます。同法案の応益負担(一割負担)が導入されれば、工賃を大幅に超える利用料により、負担増となります。

 大会では、「自立支援」法案についてシンポジウムが開かれました。パネリストで、東京・東大和市にある第一みんなの家に通う高橋英代さん(44)は「一般企業に勤める人は会社に利用料を払っていない。障害があるというだけでお金を取るというのは困る。払えない人で、また家の中に引きこもる可能性があるので心配」と話しました。

 会場から、一般就労を目指している障害者の男性(東京・江東区)が「利用料が給料を超えた場合は親や家族に請求がいってしまう」と発言しました。栃木県内の作業所に通う池田多恵さんは「自立、自立というが家族に迷惑をかけてしまう。この法案が通れば自立できなくなる」。障害者本人の自立や社会参加を阻害する「自立支援」法案のまやかしに、批判が相次ぎました。

 基調報告で、家族負担の撤廃、本格的な所得保障の確立など八項目の緊急提言がありました。

 大会には栃木県知事、宇都宮市長が来賓として出席。作家の落合恵子さんが記念講演を行いました。


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