2005年9月23日(金)「しんぶん赤旗」

接待ゴルフまだあった

懲戒処分の道路公団元幹部

交通費いったん支払い、後で請求


 橋梁(きょうりょう)工事にかかわる企業からゴルフ接待を受けていたなどとして懲戒処分を受け辞職した日本道路公団元技術部長が、公団公表分以外に十回、ゴルフ接待を受けていたことが二十二日、本紙の調べで分かりました。橋梁業界関係者によると、その際、公団元技術部長は、交通費などもいったん自分で払って後に会社側に負担させるなど隠ぺい工作ともとれるやり方をしていました。

 公団元技術部長の公団在職中のゴルフ接待について指摘しているのは、本紙が情報開示請求して入手した弁護士の報告書(八月十一日付)。公団がおこなった元技術部長にたいする調査について検証したものです。

 報告書では、「K(注・元技術部長のこと)は業者の招待で…、ゴルフをなし、しかもKは自己の名前を偽り、他人名でプレーをしたことが判明」と記載。元技術部長が接待を受けたとされるゴルフ場などを記した一覧を載せています。

 それによると元技術部長が接待ゴルフを受けたのは十四回。このうち先に公団が公表した分を除く、新たに判明した接待ゴルフは十回です。

 この十回は、本社技術部長在職中の二〇〇三年九月から昨年十一月の期間におこなわれていたもの。青森、高知、鹿児島、沖縄の各県ゴルフ場でおこなわれていました。(別表参照)

 報告書では、弁護士が接待した企業側に確認したところ、四社中三社が事実を認め、残り一社は担当者が出張中で確認できなかった、としています。

 弁護士の聴取にたいし元技術部長は、これらの接待ゴルフの事実を「強く否定」しています。

 新たに判明した十件について公団広報室は「利害関係者でなかったり、接待した企業側の確認がとれなかったため公団公表分に含まなかった」と説明しています。

 公団は、直接、契約関係にある企業などを利害関係者とみており、直接の関係がない下請け業者や材料メーカーなどは利害関係者とみていません。

 本紙の調べでは元技術部長を接待したのは、公団発注の橋梁工事の材料メーカーなども含まれています。元技術部長は、公団発注の橋梁工事などの技術部門を担当しており、橋梁を施工するメーカーがどのような材料を使うかについても大きな影響力があったとみられています。

 元技術部長は構造技術課長在職中、橋梁工事に使う「透明シース」という特定企業の高値の資材の使用を「標準」とする事務連絡を公団各支社などにだしています。


■新たに判明した公団元部長ゴルフ接待

【03年】

9・6 津軽高原ゴルフ場(青 森)

  7 鯵ケ沢高原ゴルフ場(青 森)

【04年】

1・17 ブナセカントリークラブ(沖 縄)

  18 ジ・アッタテラスゴルフリゾート(沖 縄)

5・8 土佐カントリークラブ(高 知)

  9 Kochi黒潮カントリークラブ(高 知)

6・19 ゴールデンパームカントリークラブ(鹿児島)

  20 祁答院ゴルフ倶楽部(鹿児島)

11・27 ゴールデンパームカントリークラブ(鹿児島)

  28 祁答院ゴルフ倶楽部(鹿児島)


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