2005年9月20日(火)「しんぶん赤旗」

6カ国協議 朝鮮半島非核化へ声明

北朝鮮「核計画を放棄」

米国「攻撃の意図なし」

日朝平壌宣言確認も


 【北京=菊池敏也】北京で開かれていた北朝鮮の核問題をめぐる第四回六カ国協議は十九日、朝鮮半島の非核化の目標と基本的な段取りを確認した初めての共同声明を発表して閉会しました。拘束力のある共同声明の採択によって、話し合いによる核問題の解決に道筋がつけられ、こう着状態の日朝関係の打開や北東アジアの平和の枠組みに向けた新たな展望が生まれました。今後は、具体的な措置について各国が大きな責任を負うことになりました。


 共同声明は、平和的手段での朝鮮半島の非核化の目標を確認したうえで、北朝鮮がいっさいの核兵器と核計画を放棄し、核不拡散条約(NPT)に復帰、国際的な査察を受けることを約束するとしています。これにたいし米国は、朝鮮半島で核兵器を持たず、北朝鮮への攻撃や侵入の意図がないことを確認。両国は相互に主権を尊重し関係正常化に向けた段取りをとることを約束しました。

 米国は、他の四カ国とともに北朝鮮にエネルギー支援を行う意向も初めて示しました。北朝鮮が強く主張し明記を求めてきた軽水炉の問題については、「北朝鮮は原子力の平和的利用の権利を有している」「適当な時期に北朝鮮への軽水炉提供について議論を行うことに合意する」と記しました。

 共同声明は、日朝関係に関して日本が要求した拉致問題に直接言及しませんでしたが、「日朝平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決することを基礎として、国交を正常化するための措置をとることを約束した」と述べています。

 こうした誓約の具体化に向け、次回の第五回六カ国協議を十一月上旬に北京で行うことで合意しました。

 共同声明はまた、「北東アジア地域の永続的な平和と安定」への努力と「朝鮮半島における恒久的な平和体制の確立について協議」することを約束するとし、核問題に限らず北東アジアの安全保障協力に取り組む姿勢を示しました。

 協議終了後に記者会見した議長国、中国の武大偉外務次官は共同声明の採択を「最重要な成果」であり「一つの段階の終わりで、新たな段階の始まり」と強調。米首席代表のヒル国務次官補は、「偉大な日」と評価、米朝対話の積極的推進の考えを示すとともに、次回協議では「検証措置」が主要議題になると述べました。


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