2005年9月16日(金)「しんぶん赤旗」

朝日火災争議

労働者勝利で和解

昇給・昇格差別是正へ


 朝日火災海上保険(本社・東京都千代田区)による労働組合活動家への賃金昇格差別の是正をもとめていた争議は十五日、労働者側と同社の間の和解が中央労働委員会で成立し、労働者側が全面勝利で解決しました。

 主な和解内容は、(1)原告のうち現役労働者八人の昇給・昇格差別を是正。六人を課長格・課長にする(2)現役労働者のうち、不当配転が是正されていない六人全員を原則として配転前の職場に戻す(3)会社は解決金三億五千万円を支払う―です。

 記者会見した朝日火災提訴団の大田決代表は「賃金差別と不当配転を基本的には是正させ、不当な差別は許されないということを明らかにできたと思います。働きやすい職場の実現をめざしていきたい」と語りました。

 この争議は、一九七八年以来、親会社の野村証券から社長を送り込まれた朝日火災が、賃上げ抑制など労働条件の大幅な引き下げと人減らしを強行。全損保(全日本損害保険労働組合)朝日支部の運営に介入し、会社のいいなりにならない労働者に不当配転や賃金・昇格差別をくりかえしてきました。組合活動家が、労働委員会への救済申請、裁判所への訴えをしました。

 この間、朝日火災は、労働委員会や裁判所で十一度も不当労働行為を断罪され、二〇〇四年六月には最高裁で不当労働行為是正の確定判決をうけても、これに従いませんでした。

 今年三月には、全労連、国民春闘共闘をはじめ六十八の全国単産と三百二十五人を超える個人により「野村証券の責任を追及し、朝日火災争議を勝たせる会」がつくられ、毎月の野村証券本社への包囲行動、全国の主要支店への行動、金融庁への要請などを繰り返してきました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp