2005年9月15日(木)「しんぶん赤旗」

小泉政権 早くも増税宣言

選挙で“増税なし”言いながら

財務相“定率減税全廃・消費税は増”


 総選挙(十一日投票)中は郵政民営化一本やりで、「『サラリーマン増税』を行うとの政府税調の考え方はとらない」(自民党の政権公約)と増税隠しに終始した自民、公明の小泉与党。ところが、選挙が終わるや小泉内閣はサラリーマン増税となる定率減税(個人所得税・住民税)の全廃など増税の具体化に走り出しました。これには有権者から「公約違反じゃないか」「だまされた」など怒りの声があがっています。


グラフ

 谷垣禎一財務相は十三日の記者会見で、「(小泉与党が大勝した選挙結果の背景には)かなり多くの国民のなかに、どこかで増税も必要じゃないかという気持ちもあったと感じている」などとして、増税も選挙で信任されたかのように発言。そのうえで、定率減税について「整理する必要がある」「戻していく必要がある」として二〇〇六年度税制「改正」で全廃(所得税は〇七年一月、住民税は同六月実施)する方向で議論すると明言しました。消費税についても〇七年度税制「改正」のなかで「消費税等々も考えていこうということ」と述べ、税率引き上げを検討することを明らかにしました。

 年収五百万円の四人家族(妻は専業主婦、子ども二人、うち一人は十六―二十二歳)の場合、定率減税が全廃されると、年約三万五千円の負担増になります。各種控除が見直された場合(給与所得控除は半減、配偶者控除と扶養控除は廃止と仮定)の負担増は年約三十八万円。さらに、消費税率が現行の5%から10%に引き上げられた場合の負担増は年約十三万円。合わせて年約五十五万円もの負担増となります。

■だまされた気分

 「だまされた気分」というのは、東京・大田区在住の田島道子さん(48)=専業主婦・仮名=。会社員の夫と高校生の娘、中学生の息子の四人家族。年収約四百六十万円の夫の賃金を頼りに生活しています。

 定率減税が廃止されると、年約三万円の負担増。「これ以上、どこを節約しろというの!」「小泉さんは総選挙で、『郵政民営化に賛成か反対か』っていうことしか言わなかったじゃないですか。それなのに、選挙が終わったとたん、『増税する』っていうなんて!」


 ▼定率減税 個人の所得税と住民税の税額から一定割合を差し引く減税のこと。現行では、所得税額の20%(最大二十五万円)、個人住民税額の15%(同四万円)を差し引いています。小泉内閣は二〇〇五年度税制「改正」で定率減税の半減(=増税。所得税は〇六年一月、住民税は同六月実施)を決め、さらに全廃を狙っています。


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