2005年9月11日(日)「しんぶん赤旗」

イラク攻撃への国連演説

人生の汚点

パウエル前国務長官語る


 コリン・パウエル前米国務長官は九日のABCテレビのインタビューで、イラクの大量破壊兵器開発・保有を「告発」してイラク・フセイン政権打倒の軍事攻撃を正当化した二〇〇三年二月の国連安全保障理事会での演説について、人生の「汚点」だと語りました。

 この演説で同氏は、数々の疑惑を航空写真などで示しました。しかし同年三月の開戦後、中央情報局(CIA)など米国自身の調査により、疑惑のすべては根拠がないことが判明しました。

 パウエル氏は、「米国を代表して世界にそれを提示したのは私であり、そのことは常に私の経歴に残る。痛ましいことだ」と発言。演説は自己の名声を損なう「汚点」だと語りました。

 誤った情報に基づいて演説した理由に関して同氏は、「情報機関の一部の人は情報源に問題があることを知っていたが、はっきり言わなかった」と指摘しました。

 パウエル氏はまた、9・11対米同時テロへのフセイン政権の関与について、「その証拠を見たことは決してなかった」と述べました。

 同氏は、「フセイン政権が打倒されたことはうれしい」として、ブッシュ大統領の開戦決定を支持したことを弁護。しかし、イラク戦争で息子が戦死したシーハンさんの反戦運動について問われると、「戦争が正当でないと感じれば深い個人的損失を感じるだろう」とし、「シーハンさんに同情する」と語りました。


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