2005年9月11日(日)「しんぶん赤旗」

原発の耐震性で議論

日本科学者会議がシンポ


 日本科学者会議は、原子力発電問題のシンポジウムを金沢市内で開催しました。初日の十日、世界で相次いでいる地震や津波に原発が耐えられるのかをテーマに、地震学、建築学、流体力学、原子力発電など幅広い領域の専門家たちが活発に討論しました。

 先月起きた宮城県沖の地震で、女川原発の乗っている岩盤が、想定している最大の揺れを超えていたことや、兵庫県南部地震以来、想定されていなかった大地震が相次いでいることなどがとりあげられました。「もし現在の科学的知識があれば、造らなかったはずの原発もある」など、原発の耐震性の問題が後追いになっている現状が報告されました。

 建築の専門家、渡辺三郎さんは、「政府の原子力安全委員会の考え方で本当に大丈夫なのか」と問題提起。実際の地震で測定されたデータと照らし合わせながら、政府の説明が破たんしていることを指摘しました。

 津波の問題では、「浜岡原発の標高は六メートルしかない。もし八メートルの津波がきたら、原子炉建屋の二メートルまで浸水して土砂が流れ込むことが考えられる」「引き潮が起きた場合、海から冷却水が取れなくなって空だき状態になり、炉心溶融が起こる可能性がある」などの問題点が出されました。

 十一日には、珠洲原発計画を断念に追い込んだ運動、原発の老朽化などのテーマで議論します。


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