2005年9月8日(木)「しんぶん赤旗」

なぜ郵貯は民営化すると赤字?

なぜ公社の方が財政に貢献?


 郵政民営化で「経営がよくなる」「国の財政にも貢献する」という自民・公明の民営化推進派の言い分は本当でしょうか。改めて見てみました。(矢守一英)


グラフ

 郵政民営化推進派は“いまのままでは郵政事業は先細りする。だから民営化して新しい事業にも踏み出せるようにする”といいます。

■政府自身が試算

 しかし、郵便貯金事業の場合、民営化すると十年後に六百億円の赤字、いまの郵政公社のままなら千三百八十三億円の黒字になり、経営は安定します。これは政府自身の試算で明らかになり、国会審議のなかで、竹中平蔵郵政民営化担当相も認めたことです。

 赤字になるのは、民営化で誕生する郵便貯金銀行が郵便局会社(窓口会社)に払う「委託手数料」に消費税が課税されるからです。

 さらに銀行が破たんした場合、積み立てている預金保険料の支払い義務が生じます。新たな負担は、二〇〇七年度に千五百七十一億円、二〇一六年度には千九百八十三億円になります。公社のままなら、これらの負担はありません。

 仮に消費税率が十年で10%に上がれば、赤字も膨れる計算になります。

 「新しいビジネスをやれば収益があがる」と推進派はいいますが、新規事業として、例えば郵貯資金の運用先に想定されていることは、株式投資や投機的性格の強い金融商品も含まれています。元本割れの可能性があり、収益どころか国民の「虎の子」の貯金を危険にさらすことになります。

■宣伝と違う事実

 小泉首相らは“民営化すれば法人税や固定資産税も納めるので、財政再建に寄与する”と宣伝していますが、事実は違います。

 国に入ってくるお金は、郵政公社のままなら十年間で国庫納付金など四・七兆円なのに対し、民営化の場合は四・三兆円と、四千億円も減ってしまいます。

 郵政公社の納付額には、市町村納付金(固定資産額の0・7%に相当)が含まれます。社宅などにかかる固定資産税も納めています。(二〇〇四年度には合わせて百六十八億円を納付)

 このような違いが生まれるのは、国庫納付金が利益の50%であるのに対し、法人税の実効税率が約40%(基本税率は30%)ということに加え、民営化されると預金保険料などの費用が増えるためです。しかも民営化なら、経営が赤字になれば法人税は納めません。

 郵政公社が納めることになっている国庫納付金は、日本郵政公社法第三七条に基づくもので、四年ごとの中期経営計画の終了時点で、合計の利益の50%を国に納付するというものです。


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