2005年9月4日(日)「しんぶん赤旗」
米政府対応に批判噴出
救援不足で多くの犠牲者
大型ハリケーン「カトリーナ」で大被害が出た米ルイジアナ州ニューオーリンズに二日、五日ぶりに水や食料が州兵部隊により届けられたものの、救援活動の遅れによって多数の犠牲者が出ており、政府の対応に厳しい批判が出ています。
ニューヨーク・タイムズ二日付の社説は「イラクでの失敗に失望しているアメリカ人は、政府が国内の自然災害にたいしても機敏に対処できないことがわかった」として、水や医薬品が不足し、迅速な救助が行われなかったために、死亡者が出ていることを指摘しています。さらに「犠牲者は例外なく、貧困層や黒人である」と述べています。
ニューオーリンズのネーギン市長は、救助活動の遅れについて地元ラジオで、「今にこれがくる、あれがくると聞かされ続けたがでたらめじゃないか。いい加減なことばかり言っている間に、人が死んでいるんだ」と憤まんをぶつけました。
ロイター通信や現地からの報道によると、二日、水没したニューオーリンズ市内に取り残されていた人々の避難が大型バスで続けられていますが、バスの不足や混乱で難航しています。市内の避難先となっていた「スーパードーム」周辺には数千人の人々が救援を待っています。
一方、五百キロ近く移動して被災者が搬送されたテキサス州ヒューストンのアストロドームでは、約一万一千人を収容後、被災者の受け入れが打ち切られ、後から到着した人々が「たらい回し」にされる事態も発生しています。避難が必要な被災者は、ルイジアナ州で二十万人から三十万人にも上るとされ、収容先の確保が急がれています。

