2005年8月16日(火)「しんぶん赤旗」

国家公務員賃下げ勧告

人事院 成果主義の導入も


 人事院(佐藤壮郎総裁)は十五日、二〇〇五年度の国家公務員の月給を0・36%(千三百八十九円)引き下げるよう国会と内閣に勧告しました。配偶者手当も五百円下げるとしています。「賃下げ勧告」は、一九四八年に勧告制度が始まって以来、〇二、〇三年に続く三度目です。

 同時に、「民間賃金への考慮」を理由に、基本給を平均4・8%引き下げるとともに、「勤務実績」や地域で給与に格差をつけることを柱とする「給与構造改革」を〇六年から五年間かけて実施するよう要請しました。

 「給与構造改革」は、一九五七年以来、約五十年ぶりの賃金制度の大改悪。「民間給与が低い地域」に合わせ三十代半ば以降の中高年層は最大7%の賃下げをする一方で、「民間給与の高い地域」には上乗せの地域手当を支給するとしています。東京都で働く国家公務員には18%の地域手当を支給しますが、札幌市では3%しか支給しないなど、大幅な地域間格差を持ち込みます。

 また、職員を「極めて良好」、「良好でない」などと区分して昇給させるとしています。こうした成果主義賃金導入で国家公務員の管理強化を狙う内容となっています。勧告は今後、地方公務員をはじめ約七百五十万人に影響を与えます。

 人事院は、公務員労働者のストライキ権など労働基本権を奪っている「代償措置」として、労働者の利益を守る役割を負っています。生活を悪化させる「賃下げ勧告」を労働組合の意見も聞かずに行うことは、役割を放棄するものとして、存在が問われます。


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