2005年8月13日(土)「しんぶん赤旗」
日航機事故
20年目の祈り
御巣鷹に追悼登山
日本航空123便が群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落し、五百二十人の犠牲者を出した事故から二十年を迎えた十二日、遺族らは、犠牲者の追悼と空の安全を願って、墜落現場となった御巣鷹の尾根に登りました。
早朝からの強い雨にもかかわらず、二十年目とあって事故発生以来最多となる百三遺族、四百五人が追悼登山しました。遺族らは、ぬかるみに足を取られ、滑ったりしながら、墜落現場をめざしました。
大阪・豊中市から母親の紀美さんと登った小沢秀明さん(19)は父、孝之さん(当時二十九歳)を事故で亡くしました。「ぼくももうすぐ二十歳になります。母と二人でこれまで頑張ってきました。とてもやさしい父だったと聞いています。二度と事故を起こさないために、ぼくたちができるのは毎年ここ(御巣鷹の尾根)に来ることだと思う」と語っていました。
故高濱雅己機長の長女、洋子(38)さんは日航の客室乗務員。「父と一緒にフライトするのが夢でした。この二十年はあっというまでした。事故の悲惨さを忘れないことが安全への意識につながる。一日のフライトが終わるたびに父が守ってくれていると感謝しています」とのべ、二女の明子さん(32)は「この六月に結婚しました。そのことを墓標の前で父に報告してきました」と語っていました。
同日午後六時から「慰霊の園」で、上野村などの主催による追悼の夕べが開かれました。墜落時刻にあわせて、五百二十本のろうそくに火を灯しました。

