2005年8月11日(木)「しんぶん赤旗」

全高齢者から保険料

社保審医療保険部会 議論整理案示す


 二〇〇六年の医療制度「改革」について議論している社会保障審議会医療保険部会で十日、これまでの議論の整理案が示されました。七十五歳以上の高齢者から保険料を徴収する「後期高齢者医療制度」の創設が盛り込まれたほか、食費・居住費を保険外にすること、高額療養費の自己負担限度額の引き上げなどが検討課題とされています。

 整理案では、七十五歳以上の高齢者について、老人保健制度を廃止し、高齢者からの保険料徴収、国保や被用者保険からの支援、公費でまかなう「新たな制度」の創設を求める意見が「大勢であった」とし、「現役世代との均衡を考慮した適切な保険料負担を求めるべき」としています。現行制度では家族に扶養されて保険料負担のない二百四十万人の人からも、新たに保険料を徴収しようというものです。

 六十五―七十四歳の前期高齢者についても、被扶養者の保険料負担を検討課題としています。

 高齢者の患者負担(七十五歳以上は原則一割、一定所得以上は二割)については、入院時二割、通院三割の負担を求める意見が、日本経団連から出ています。整理案では「現役とのバランスを考慮して応分の負担を求めるべきとの意見」があったとして、「検討が必要」としています。

 この日の部会では、「高齢者のほとんどが月五、六万円の国民年金だ。重い病気になればとうてい負担できない」(山本文男・全国町村会会長)「七十五歳から適切な医療が受けられなくなれば、個人の権利の侵害になる。適切な医療を受けられる制度にすべきだ」(松原謙二・日本医師会常任理事)などの意見が出されました。

 引き続き、二十四日に部会で議論の整理案について意見を聴取し、まとめる予定です。


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