2005年8月10日(水)「しんぶん赤旗」

核固執の米を批判

長崎市平和式典で市長


 米国による原爆投下から六十年目の九日、長崎市主催の「平和式典」が同市の平和公園でおこなわれました。国内外から約六千二百五十人が参列し、原爆投下時刻の午前十一時二分、犠牲者に黙とうをささげました。

 被爆者の平均年齢は七十三歳。猛暑を避け、屋内の会場に足を運ぶ参列者も目立ちました。

 伊藤一長長崎市長は「長崎平和宣言」で、五月の核不拡散条約(NPT)再検討会議で進展がなかったことにふれ、「核保有国、なかでもアメリカは国際的な取り決めを無視し、核抑止力に固執する姿勢を変えようとしなかった」と批判。一方、米国市民には「あなた方の大多数が核廃絶を願っていることを知っている。核兵器のない平和な世界をめざそう」と呼びかけました。

 日本政府には、憲法の平和理念を守り、非核三原則の法制化、朝鮮半島の非核化に向けた取り組みを求めました。

 被爆者を代表して坂本フミヱさん(74)が「平和への誓い」を読み上げ、「命ある限り、生き残っている二十六万余の被爆者とともに、『長崎を最後の被爆地に』と叫びつづけていきます」と訴えかけました。

 政党代表も参列し、日本共産党から志位和夫委員長が献花しました。

 五回目の出席となった小泉純一郎首相は広島の式典と同様、「平和憲法を順守する」「非核三原則を堅持する」と繰り返しましたが、同首相がこれらの言明と正反対の政策をとりつづけていることは周知の事実です。拍手はまばらでした。

 式典では、一年間に亡くなった被爆者と死亡が新たに確認された被爆者二千七百四十八人の名前が納められ、原爆死没者数は合計十三万七千三百三十九人になりました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp