2005年8月10日(水)「しんぶん赤旗」

主張

原水爆禁止05年大会

核兵器廃絶にむけ新たな前進


 被爆六十周年の原水爆禁止二〇〇五年世界大会は、核兵器廃絶にむけて新たな前進をきりひらくものとなりました。

 核不拡散条約(NPT)再検討会議は、危険な核政策に固執するアメリカの抵抗によって、成果をあげることができませんでした。では今後、どうすすむべきか。世界大会は、諸国政府と反核平和運動が一致して、この逆流をうちやぶり、核兵器廃絶にむけて前進をきりひらく方向をうちだしました。

■国連の役割の重要性

 その重要なとりくみの一つとして、国際会議宣言は、「人類を戦争の『惨害』から救うことを目的とし、その第一号決議において、核兵器を廃絶することを誓った」国連に、役割を果たさせることを強調しました。とりわけ「九月の国連加盟国首脳会議とそれにつづく国連総会が、ただちに核兵器全面禁止・廃絶条約実現への道を開く」ことを求め、国際共同キャンペーンをよびかけました。

 討論では、政府代表も国連の役割の重要性を指摘しました。ヒロシマ・デーにあたって、アナン国連事務総長も、国連サミットで核軍縮の「行き詰まった現状を打開するよう強く求め」、平和市長会議も、国連総会が非核世界の実現を主題とする特別委員会を設置することを求めました。

 NPT会議にむけて、諸国政府と運動が戦略を交流・議論した昨年の世界大会から、今年はさらに、一致して国連に迫っていく方向を確認することができました。

 今年の世界大会では、史上最多の海外代表が結集したことにみられるように、各国の運動の力強い前進が示されました。

 核保有国でも、自国政府に核兵器廃絶を要求する運動が発展しています。アメリカではイラク侵略に反対した運動が核兵器廃絶をかかげる新しい流れに発展し、イギリスやフランスでは、政府に核兵器の放棄を迫り、ヨーロッパの非核地帯化を求める運動が前進しつつあります。

 日米軍事同盟強化の危険性を指摘する韓国代表やNATO(北大西洋条約機構)の核兵器使用政策に反対するドイツでも、非核化の声が、広がっています。

 これらは、イラク侵略反対などの反戦平和、国連憲章擁護の世論が、核兵器廃絶を求める声と合流して発展しつつあることを示しています。このもとで、国際会議宣言が「諸国民の運動をさらに強め、相互の多様性を尊重しつつ、大きく合流させよう」とよびかけました。「核兵器のない平和で公正な世界」にむけて、各国の運動を基礎にした、さらなる発展が期待されています。

 新しい発展の背景には、日本の原水爆禁止運動の粘り強い努力があります。半世紀にわたって、核戦争阻止、核兵器廃絶、被爆者援護の基本要求をかかげて、アメリカ追随に反対し、被爆国の運動としての国際的責務を果たしてきました。

■反核平和に背く小泉政治

 今日、米国の「核抑止力」への依存、戦争体制づくりや憲法改悪など平和に逆行する危険な動きにたいするたたかいが重要となっています。目前の総選挙では、反核平和の願いにそむく小泉政治に、国民的な審判を下さなければなりません。

 被爆者が世界の心ある人々を動かし、核兵器廃絶の流れをつくり出してきたことを思い起こし、日本の原水爆禁止運動が、国際的な期待に応えて、ひきつづきその役割を果たしていこうではありませんか。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp